第32話
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付いていたらピーンと立っていただろう。
そして袁紹は鼻高々に諸侯の顔を見渡していた。彼の心情を言葉にするならば『どうだ我が軍の軍師は! 凄いであろう!!』といった感じだ。
「ではさっそく、皆で水関攻略の策を――「お待ちを」」
「なっ!?」
気を取り直して軍儀を再開させようとした矢先、彼の言葉を遮る者が一人。
周瑜だ。それも、仮にも総大将である袁紹の言葉を遮ぎっての発言。余りに無礼なその行いに桂花は溜まらず憤慨し、袁紹がそれを手で制した。
「……何かあるのか? 周瑜」
「ご無礼をお詫びします。水関攻略の軍儀前にご報告が一つ、よろしいですか?」
「構わぬ」
「感謝を。では穏、頼む」
「承りました〜」
袁紹の許可を得て、孫呉の席から一人立ち上がる。
「孫策軍軍師の一人、陸伯言と申します。お見知りおきを〜」
のんびりとした口調で自己紹介したのは孫呉の将の一人、陸遜だ。
小さな眼鏡が知性を感じさせ、軍師という肩書きにも関わらず武人の気を纏っている。
(只者じゃない……見た目に騙されると痛い目を見そうね)
華琳を始めとして白蓮、劉備といった英傑達が陸遜の器を量ろうと観察する中、男共は別の場所を観察し、目で量っていた。
「な、なんと豊かな」
「事が済んだら勧誘じゃ」
「抜け駆けは許しませんぞ!」
「ええい、孫策軍の脅威は化け物か!」
救い用の無い愚か者達である。迷族の声は――きっと気のせいだろう。
「……報告しますね。実は何と! 私たち孫呉が水関と虎牢関を避けて洛陽に辿り着く迂回路を発見したんですよ〜」
『!?』
その報告には皆が驚き、目を見開いた。
彼女の話しが本当ならまたとない好機である。
水関に布陣している華雄、そして虎牢関を守っているとされる張遼を避けることが出来れば、この戦は直ぐに片が付く。
人的被害を最小限に抑えられる上、浮いた経費で莫大な余財が生まれるだろう。
「事実ならすごい事ですぞ!」
「左様、水関を虎牢関を避けられれば洛陽は目前」
「す、直ぐに部隊を編成し向かわせましょう!」
「うわわ……凄いね白蓮ちゃん」
「ああ、流石張角を討ち取っただけある。大した諜報力だ」
やはりと言うべきか。諸侯たちは劉備や白蓮をも交え、迂回路に対する意見を口々に言葉にしだした。
「……」
「……」
その中において静観を決め込む袁紹と華琳。ここまで都合の良い迂回路などあるはずがない。何かしら問題を抱えていると見るべきだろう。又、董卓軍の軍師賈駆が其処を放置しているとは思えない。
袁紹は見た目に反し慎重な性格から、華琳は持ち前の鋭さから、陸遜の報告には続き
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