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恋姫†袁紹♂伝
第32話
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謝こそしても、恨むようなことは一切無いよ」

「……白蓮」

「これだけ言ってもまだそんな顔するなら、華琳――と言うより春蘭直伝の実力行使にでるぞ! 本気だぞ!!」

 握りこぶしをと共に二カッと白い歯を見せる。
 誰が聞いても本心に聞こえるだろう。しかし白蓮と同じく袁紹もまた、彼女の心の奥底にしまっている感情を理解していた。
 
 元々は幽州の領民達だったのだ。本来なら白蓮の軍に組み込まれるべき人員である。
 真面目で責任感が強い白蓮は、笑顔の奥で親友に魅力負けした事を恥、悔やんでいた。

 そのような心境にも関わらず尚袁紹を気にかける。痛々しくも嬉しい心遣い。
 彼女にそこまで言わせて、しおらしい態度など続けられるはずも無い。

「まったく……相変わらず我が友は、器用なのか不器用なのかわからぬな」

「その台詞、お前にだけは言われたくないぞ!」

「あ、あのぉ〜……」

「おお劉備、放っておいて悪かったな」

「いえ全然! えっとそれで……実は袁紹さんに紹介したい娘が二人いるんですよ」

「ほう、新たな仲間か? して、その者達は何処に――」

 袁紹の言葉に対し劉備は気まずそうに顔を伏せる。その様子から、紹介したい二人が既に天幕内に居るのだと察し。袁紹は懸命に視線を動かすがそれらしい者は見当たらない。

「……もっと下です」

「下? ……オォッ!?」

「うぅ……どうせ私達は」

「……小さいです」

 長身な袁紹の死角に可愛らしい娘が二人。気付かれなかった事がショックらしく、沈んだ空気を漂わせている。
 袁紹はしばらく、彼女達の機嫌直しに苦心するのだった。






「では改めて、私の新しい仲間! 諸葛亮ちゃんと鳳統ちゃんです!!」

 先程まで暗い表情の二人だったがそこは流石名族。袁家謝罪方100手の一つ『謝罪風車』にて事なきを得ていた。

「しょ、諸葛孔明です! 宜しくお願いしましゅ!!」

 劉備の紹介と共に声を上げたのは諸葛亮。緊張のためか言葉をかんでしまい、「はわわ……」と慌てる姿が大変愛らしい。 
 服装は制服を彷彿とさせる程整ったもので、合わせて被っている帽子が一層そう思わせる。
 容姿は言うまでも無く整っており、短めな金髪が優等生の空気を醸し出している。 

「鳳士元……です」

 次いで控えめに口を開いたのは鳳統。人見知りらしく、袁紹と目が合った瞬間「あわわ……」と顔を隠してしまった。
 諸葛亮とは色違いの服装なのだが、顔を覆い隠せるほど大きなトンガリ帽子を被っている。
 その帽子から青いツインテールがはみ出ており、時折こちらの様子を探ろうと恐る恐る帽子を上げる様子は、非常に庇護欲――否、保護欲を掻き立てられ――

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