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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百二五幕 「クロスボーン・アタック」
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行動は最適解の筈。見落としなどあり得ない)
しかし――不確定事象の可能性を考慮して、アニマス40はフェイントを仕掛けた。一度弾丸を放って動きを見切り、移動先を狙撃。理論上はゼロに近いが、こちらの攻撃の前兆を感知しているならこれで命中する筈だ。この理解不能な状況は、任務を遂行し終えてから捕えたセシリア・オルコットにでも事実確認をすればいい。
フェイントは成功。寸での所で回避するルートに乗ったのを確認し、再度攻撃――微かに掠ったが、セシリア・オルコットはこれをも回避した。
(攻撃の予兆ではない?発砲の予兆を捉えている?――あり得ない。ブルー・ティアーズ及びクイーン・メアリ号にそれを可能とする装備が存在しない。こちらのシステムに問題――否定。管制システム、自己診断プログラム共に問題なし………ESP能力者?可能性――『地球のESP能力者開発は既に終了しており、成功個体はなかった』。仮にあったとしても、セシリア・オルコットはそれに該当せず、またESP能力者が自然発生する確率は………確率は――いいや、ありえない)
アニマス40は否定する。アニマス40は否認する。アニマス40は拒絶する。
このような結果に、なる筈がないのに――。
混乱――アニマス40は一度も経験したことがない精神状態だった。いや、彼女には恐らく自分に精神状態という概念があることさえも理解しきれていないだろう。それほどに彼女は未熟で、人を超越した能力があるにも関わらず、予想外の事態に年限と同じような対応力しか持ちえていない。
――だからこそアニマス40は、クイーン・メアリ号の船首が自分のいる座標へと向いた瞬間、どう対応すればいいのか判断できなくなった。機械的に弾き出した最適解が失敗しているのに、最適解が今まで通りの攻撃にしかならない機械的な矛盾が、アニマス40の判断力を容赦なく奪った。
接近警告。ターゲットがこちらへ向かってきている。迎撃――命中しないにも拘らず迎撃?否定。ステルスでやり過ごす――攻撃の予兆が感知されている以上は発見されている可能性があるのに?否定。いや、そもそもクイーン・メアリ号に武装はない。つまり、万策尽きて別のエリアに離脱しようと考えた最後のあがき。
本来の計画では姿を完全に隠したまま撃墜する予定だったが、これ以上ステルス戦法に拘ると無用な時間のロスしか生み出さない。現状、アニマス40にとってはこれが最適の戦法。
(戦法を変更……『テトラヘドロン』全砲門解放……1km圏内に侵入と同時に回避不能の面攻撃によって速やかにクイーン・メアリ号を航行不能にし、操縦士を捕縛する)
無謀にも突進するクイーン・メアリ号はその航行速度をどんどん上げていく。無重力下の宇宙では加速エネルギーが摩擦や空気抵抗、重力などの影
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