暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第四話。パンパカパーン!
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がする。うーむ?

『ま、嬉しいからいいけどね。嬉しいと回復も早くなるし』

「そういや、そんなことも言ってたな」

『うん。魔女の魔力はメンタル、精神力から来るからね。嬉しい、楽しい、美味しい、気持ちいい、この辺りがいっぱいあると、それだけ回復も早くなるんだよ』

なるほど、嬉しい、楽しい、美味しい……その辺は気分を高める感情だからわかるからそれはいいとして。
き、気持ちいい、だと……。
キリカが気持ちいい事……。

いかん、ヒスる??

『モンジ君のスケベっ!』

「な、何でだ?? まだ何も言ってないだろう??」

『エッチな妄想してドキドキしてたでしょ!』

何でわかんだ??
してたけど。してヒスりかけたけど。

「す、すまん。なんか今の俺はやっぱり、誰かにすがりたいのかもしれん」

理亜のことは俺の精神をガリガリ削っているような気がする。
そのせいか、普段は言わない言葉や妄想がホイホイ湧き出てしまうようだ。
なんというか良くないよな。こういうの。
ヒステリアモードになりたくないってのももちろんあるが、なによりキリカが優しいからってそういう対象で見るのは。

『あー、ふーん、なるほどね。つまり、そういう感じの出来事があったってわけだね』

もっとも、俺がどんなに言葉を濁しても、キリカにはバレてしまうのだが。
キリカならきっと良い心理カウンセラーの先生になれるだろう。
しかし、キリカが心理カウンセラーの先生になったら、患者さんを誘惑しそうだからやっぱりダメだ!

『うん、なんとなく解った。モンジ君、そろそろ寝ておいた方がいいかもしれないね。
君の脳はかなりのダメージを受けてるみたいだから。
私の魔術のせいっていうのもあるんだけど。これはそうだね……神経性の遺伝形質が原因かな?』

「なっ……どうしてそれを」

『君の頭の中に入った蟲さん達がいろいろ教えてくれたの。いろいろ……と。聞きたい?』

「いや、いい……」

聞いてはいけない話というものがある。これはきっとそういった類の話だ。
厄介事に巻き込まれやすい、不運な俺にもそのくらい解る。

『そっか、それは残念』

全然残念な声じゃないのに、キリカが残念というと、本当に残念と思えてくる。
不思議だ……。

『昨日からいろいろあったみたいだからね。今日はもうゆっくり休んだ方がいいと思うよ?』

「……そうだな。そうさせてもらおうとするかな。そんじゃ、おやすみなさいだな」

『うん、おやすみ、キンジ(・・・)君っ。ゆっくり寝てね?』

「おうっ」

俺達はほぼ同時に電話を切った。
キリカとの通話を終えた俺は驚くほど落ち着いた自分の心に、キリカという存在が癒しになっていることを実感
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