霞が関の食堂にて
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瞳が初めて私をしっかりと見る。
聞く耳を持ったという事なのだろうか。
「2001年の非対称の戦争から世界は変わりました。
そして、ネットによる高度情報化社会は神秘の秘蔵を難しくしています」
「第四次はきちんと秘蔵したはずだが?」
「ええ。
ちゃんと秘蔵されましたとも。完璧に。
だからこそ、やり過ぎだ」
傲岸不遜の鉄面皮みたいな表情が僅かに緩む。
裏にとっては神秘が秘蔵されるのならば、災害だろうがテロだろうが関係ないのだ。
だが、表にとってはそれが死活問題である事を理解しようとしない。
「海外では冬木の災害はテロと認識されていますよ。
で、現在非対称の戦争に邁進中の我が国の同盟国はこの件にご執心です。
なお、ロンドンのテロの後で英国政府と米国政府が時計塔に圧力をかけての捜査協力をとりつけたのはご存知でしょう?」
現在戦乱に揺れる中東ことメソポタミアは神秘の巣でもある。
適性を持ったテロリストが聖杯戦争の儀式を使ってサーヴァントと呼び出したら、どのような影響をあたえるか分かったものじゃない。
そういう意味で、協会は米国の逆鱗を思いっきりぶっ叩いていたのだ。
なお、この動きで表との関係と新時代の魔術師としてのあり方と唱えて勢力を伸ばしている魔術師の一派があるらしい。
「我々は聖杯戦争には関与しませんし出来ません。
その監督はそちらにお願いしますが、外からやってくるテロリストへの対処もお願いしたいという訳でして。
お願いできますよね?」
もちろん、お願いでしかないから無視してもらっても構わないし、一目見てこいつはこっちの言う事など聞かないだろうとなんとなく確信が持てたので強制するつもりもない。
こういう事を言ったというのが重要であり、交渉を持ちかけるのは言峰神父の上である魔術協会であり聖堂教会なのだ。
「もちろん。
ご協力させていただこう」
まったく履行する気のない声で言峰神父が言う。
言質は取ったので、彼の前でボイスレコーダーを止めて微笑む。
「あと、冬木市全土に現在緊急で監視カメラ網の構築を進めています。
間に合うとは思えませんが、裏路地や人通りの少ない所は既にカメラが置いてあるのでご注意を」
「……参加者には伝えておくことにしよう」
魂食いもバレたらこっちのルールで捕えるという私の通告もさっきと同じような声で言峰神父は了承した。
これで話は終わりと立ち上がった時に、言峰神父から先ほどとは違う声で質問が投げかけられる。
「君は聖杯戦争に出れる素質があるかもしれないのに、聖杯戦争には参加しないのかね?
あれは、ありとあらゆる願いが叶う究極の願望機なのに」
私は胸元の黒真珠の首飾りを軽く指で
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