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殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
8話 重ねて作る罪悪(シン)
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う。首にミドルキックを食らわし、壁に叩きつけて、動けなくする。
 「リーナ。ここにある車で、一番大きいやつを持って行くよ」
 

 僕らは大きなトラックを盗み、先ほどの男を縛り上げ、トランクに詰め込む。
 「リーナ。ワゴンにおいてきた荷物は何?」
 「缶詰だけです」
 「良かった」
 運転中のリーナと助手席に座る僕。
 「金銭をおいてきたとか言われたらどうしようか悩んだよ」
 「もし置いてきても問題ありませんでしたよ。さっき盗んだ金額は5万ドルですから」
 「そっか」
 「基本的に、テロリストの人たちは銀行とか言う信用出来ないものを利用しませんからね。ゲンナマで管理するんです」
 カーブを切り、応えるリーナ。そして煙が出ている工場に連れて行かれた。
 「ここです」
 リーナは車を止めた。
 「こちらウィッチ。応答願います」
 リーナはは無線をつけた。
 「ウィッチ?」
 「私のコードネームです。魔女からとっています」
 「へぇ」
 『こちらエンジェル。要件を』
 「新車を確保しました。現場です」
 すると扉が開き、ミカエルが出てきた。
 なるほど。ミカエルは大天使からとったのか。
 「お疲れ様です」
 子供らしい笑顔で僕に応えてくれた。
 僕とリーナは中に入る。煙の原因は死体を燃やしていたのか。
 「えっと。大変申し訳ありませんでした」
 ミカエルは案内しながらしぶしぶ言葉をつぶやく。
 「何が?」
 僕は首を傾げる。
 「勝手にここを制圧しました。単独での行動は以後気をつけます」
 「いや。今後このチームで動こう。効率重視だ。無線で会話して制圧状況を確認し合おう」
 僕ら5人は工場内で落ち合う。
 「本当にこのメンバーですか?」
 アーシャは不安そうな顔を見せた。
 「どういう意味ですか?」
 ミカエルはそれに対し、不満そうに答えた。
 「いえ。アタシ、実戦経験が多分この中で一番少ないんですよ。そんなこともあって、以前までカリヒさんと白兵のペアを組まされていて」
 「アーシャ。今の君は立派だ。いつまでも新兵気分でいるのは僕は納得出来ない。もし本当に心配で命の危機を感じるようであればそりゃ編成は考えるけど、僕らは5人しかいない。戦力のバランスを考えればこれが的確だよ」
 僕はアーシャに指摘する。
 「命の危険は感じませんよ。だってミカエルさんもメリラさんも強いですもん」
 「いつまでたっても君は悲観的だな。自身を持ちな。僕の命中精度が上がったのは君のおかげなんだよ」
 それを聞いたアーシャは顔を赤くした。
 「そうですか?」
 載せられやすい性格だな。
 それはそれで問題があるけど、まあ、悲観的でいるよりかわ確実に楽だ。
 「あ、いい忘れていた。捕虜を確保した」

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