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殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
8話 重ねて作る罪悪(シン)
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さんが洗濯物と一緒に日干しされて、大便をダラダラと垂らしていた。
 僕はその時、多分、悔しかったと思う。なんでだろう。自分で手にかけたかった?いいや。今みたいな殺戮衝動が生まれたのはその後からだ。でも何か違う気がした。
 お母さんと僕とリナ。この3人に多大な借金を残して勝手に逝った。
 
 “一難去ってまた一難”
 
 僕の嫌いな言葉の内の1つだ。
 お母さんは借金に困り果て、僕を奴隷オークションに出した。
 僕は当時6歳というとしながら一般の成人男性と同じくらい力が強く、高値で取引された。
 今思えば、リーナという名をつけたのはリナにかなりの未練が残っていたからなのだろう。
 だから僕はリーナを女の子として見れていないのかもしれない。しかし、“もう1人”はしっかりリーナを愛してくれている。バランスは取れているのか。


 工場では鉛を溶かして流しこむ作業が流れるように行われていた。
 メリラはそれを見て、自分たちの拠点にできそうだと思った。
 作っているのはM16用のNATO弾だった。
 メリラは説明書をあさる。
 「なるほど。どうやら銃本体は作られていないのね」
 するとミカエルが隠れながら製造場所に入ってきた。
 「あれ?メリラさん?」
 「ああ。ミカエル。敵は粗方片付いたようね。良かったわ。銃はあまり得意そうじゃなかったから正直心配だったの」
 ミカエルに対し、メリラは思ってもいないことをべらべら話す。
 「そうですね。スニーキングだけならすぐにこっちに来られたんですが、近距離銃撃戦では専門外なので30分もかかりましたよ」
 彼女は皮肉で返す。
 「お待たせしました」
 気の抜けるような声でアーシャは靴音を立てて2人に近づく。
 「アーシャさん。まだ中に敵がいたらどうするんですか?足音は立てない。しっかり周りを見てからエリアに侵入する!これは鉄則です。訓練で教えたじゃないですか」
 「え?だってメリラさんと楽しそうに会話していたじゃないですか?」
 「だからって気を抜いては行けませんここは敵基地です!」
 ミカエルは真面目な対応で叱る。
 「まあまあ。一応この中物色したけど、敵はもういないわよ」
 「そうですが…」
 歯切れ悪くミカエルは返答する。メリラは先ほど漁って手に入れた資料を見せ、
 「まあ落ち着きなさいな」
 宥めた。
 彼女ら3人は同い年。ミカエルは少し大人っぽく見える上に、年齢も知らないリーナとアーシャは何故かしら敬語なのだ。
 「これを見る限り、ここでは銃の製造はかなり前から行われていないの」
 「え?」
 「つまり弾薬だけが製造されているってことですか?」
 アーシャとミカエルはそれぞれ反応を見せる。
 「そうなの。弾だけ持ち運ぶって言う面倒なことはした
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