第3章 リーザス陥落
第79話 生気抱擁
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ホッホ峡の戦いも終結した。
まさに、それを象徴するかの様に、夜明け。太陽が地平線から顔を出し、世界を陽の光で包み込んでいた。リーザスの夜明けも……近い、そう 思いたかった。
「一先ず、ですね。バレス殿」
「おお、エクスか。……ご苦労じゃったな」
「いえ。……一番の功は 間違いなく正面の部隊と敵陣深くに切り込んだ部隊。……いえ、一概に決められませんね。今戦には、功を成した者達が多すぎると言えるでしょう」
エクスは、配置を思い出しながらそう呟いていた。
敵陣深くに切り込んだ リック、清十郎、レイナの隊。
そこまで深く無いものの、敵を討ち漏らさず、後衛の負担をかけない為に配置された ミリ、トマト、ランの部隊。
そして、チューリップ3号と共に進撃を続けるユーリの部隊。
戦闘の細かな詳細は判らないが、甲乙つけがたいとはこの事である。どこか1つでもかけていたら、もっと被害が甚大だった可能性が大いに高いのだ。……ランス隊もそれは同様だ。
「魔人の使徒との一戦も無事に終わったらしいです。最後はランス殿が仕留めたとか」
「うむ。ユーリ殿が深く信頼をしている御方じゃ」
バレスも頷く。
確かに、ランスの口は非常に悪いと言っていい。と言うか、悪い以外はない。だが、いい加減その毒舌トークには慣れてきた、と言う事もあるだろう。そして、戦果を必ず残す、と言う面では 優等生と言えるから。
「ふふ、ですね」
「……騎士道的には、全て頷く訳には行きませんが……、ランス殿は冒険者……軍人ではない、ですから」
生真面目なハウレーンだけは、まだ なかなか認めたくない様子。……が、間違いなく戦果を残している事を考慮。配置を最終的に決めたのもランスだったから。いろんな面をそつなくこなすからこそ、怒るに怒れない。つまり、困った子供を見ている様な気分になってくる。……子供、大きすぎるが、子供だと思うからこそ、諦めと 少しの甘さも出せるから。
「さて、合流するとしよう。まだ 全てが終わった訳じゃないしのぉ」
バレスは、味方部隊に号令を出すと、そのまま ホッホ峡を進み ジオの町側の出口へと向かっていった。
そして、ジオ側にまで進んでいたランス達もこの朝日を見ていた。ランスは、腰に手を当て、豪快に笑いながら朝日を浴びている。
「がははは! 流石はオレ様だ。制圧のタイミングが夜明けとはな! いや、だが 長い戦いだった……ふわぁ……」
大笑いをしながらも、ランスは軽くあくびを噛み殺しながら、ヘルマン軍が引いていった本道を進んでいく。
「……ランスが戦ったのって、最後だけじゃない」
呆れ果ててるのは、かなみだ。
メナドとは とりあえず今は分かれている。彼
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