第二百四十話 果心居士その五
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「そして戦を考えています」
「南蛮の奸賊達ともか」
「南蛮人といっても様々です」
「わかっておる」
既にとだ、信長も答えた。
「あの者達の中にはな」
「はい、本朝を狙っている者達もおりまして」
「そうした者達も引き込んでか」
「戦をと考えております」
「何という奴等か」
平手は果心居士の話を聞いて眉を顰めさせて吐き捨てる様にして言った。
「他の国の、本朝を狙う者達まで引き込むとは」
「まさに国を売る所業じゃな」
信長も平手に応え言う。
「爺はそう思うな」
「無論です、何という恥知らずな」
「しかしそれは本朝におる者の考えじゃ」
「表のですか」
「あの者達は違う」
魔界衆はというのだ。
「あの者達は本朝にはおらぬ」
「まつろわぬ者達ですか」
「だからじゃ」
「本朝におらぬが故に」
「そうしたことをしてもな」
他国の日本を狙う者達と手を組み引き込む様なことをしてもというのだ。
「全く意に介さぬのじゃ」
「この国の者でないが故に」
「そうしたことをしてもな」
「何でもありませぬか」
「まつろわぬ者はじゃ」
その彼等はというと。
「この国におってもじゃ」
「この国の者ではない」
「だからじゃ」
それ故にというのだ。
「そうしたことをしても平気なのじゃ」
「左様でありますか」
「あの者達はあくまで闇の者達じゃ」
本朝の者ではないというのだ。
「そこから考えることじゃ」
「そういうことでありますか」
「うむ、そうじゃ」
まさにというのだ。
「そうしたことをしてもな」
「何も思いませぬか」
「あの者達の義は復讐じゃ」
それだというのである。
「本朝に対するな」
「そしてこの世をですな」
「混沌にすることじゃ」
「本朝を完全に壊し」
「そう考えておるからじゃ」
「異国の南蛮の者達とも手を結ぶ」
「そうするのじゃ」
信長は平手に話した。
「それでこのこともあるからじゃ」
「はい、だからですな」
「あの者達は倒さねばならん」
絶対にというのだ。
「魔界衆はな」
「では」
「この呪文をそれぞれの武具に書くか、いや」
ここでだ、信長はその目をはっとさせた。そのうえでこう言ったのだった。
「魔界衆は何時仕掛けて来るかわからぬ」
「全ての武具に書くまでは、ですか」
「時間があるかわかりませぬか」
信雄と信孝が言って来た。
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