第七幕その十
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「何処にでも持って行けるし」
「幾らでも入れて持ち帰られますね」
「そうした便利なものなの」
「これも魔法の品ですね」
「ええ、魔法使いさんとグリンダが作ってくれたの」
「今回の冒険では皆さん一つずつ持っておられて」
「それで冒険をしているの」
こうお話するのでした。
「お野菜を頼む為にね、あとね」
「このバスケットボックスの中に入れて持って来ているものがあったの」
「それは」
「とても大きなエメラルドよ」
にこりと笑って言うのでした。
「それをオオエさんへのお礼に持って来ていたの」
「そんなのいいんですよ」
そのオオエさんがにこりと笑って応えてきました、この人もお野菜をバスケットボックスの中に入れていっています。
「お野菜は幾らでも出来ますから」
「いえ、そういう訳にはいかないから」
「そうなのですか」
「お礼はちゃんとしないとね」
「だから皆がなのよ」
ここでビリーナも言います。
「それぞれ大きなエメラルドを持って行ってるのよ」
「ジュリアさん達も」
「そうよ、食材をくれる人達へのお礼にね」
「そうなんだ」
「お礼は忘れたらいけないでしょ」
ビリーナは神宝にしっかりとした声で言いました。
「そうでしょ」
「うん、僕もずっとそう言われてるよ」
「そうよ、だからね」
それでというのです。
「皆それぞれエメラルドを持って行ったのよ」
「ベッツイさんも」
「そういうことなの」
「ええ、だからね」
ベッツイもにこりと笑って言います。
「お礼も持って来たの」
「じゃあそのエメラルドをですね」
「オオエさんにあげたの」
「本当になんですよ」
また言うオオエさんでした。
「気遣いはいいんですよ」
「そういう訳にはいかないから」
「だからですか」
「ええ、貰ってね」
そのエメラルドをというのです。
「どうぞ」
「それじゃあ家宝にさせてもらいます」
「是非ね」
こうしたこともお話してでした、皆でお野菜をバスケットボックスの中に入れてでした。神宝はその全てのお野菜を入れたバスケットボックスをです。
手に持ってみました、ですが。
とても軽くてです、驚いて言うのでした。
「あんなに入れたのに」
「軽いでしょ」
「はい、凄く」
「魔法のバスケットボックスだからね」
「それでなんですね」
「そう、幾ら入れても重さは変わらないの」
「そうなんですね」
「だから私でもね」
力には自信のないベッツイでもというのです。
「持って行けるの」
「そうなんですね」
「じゃあこれを持って」
「都に帰るんですね」
「そうしましょう」
「それじゃあ」
「あっ、お豆はあるかしら」
ふとです、ビリーナが言ってきました。
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