暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico?約束〜Contract of a Devil〜
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ルームの入り口に着いた時、クイントは見た。メインルームの至るところにある影の1つから何者かの頭が音も無く出て来たのを。

「・・・っ!?」

それは10代後半ほどの少女だった。バイオレットのショートヘアの髪型はインテークで、カチューシャを付けている。クリムゾンの瞳は猫目で、口もどことなく猫口。ハイネックの黒セーターに白のロングコート、裾から覗くズボンも黒、そして茶色のブーツという格好だ。
影から出て来た少女は迷う素振りも見せず、視認できないはずのルシリオンへ向かって音も無く一足飛びで接近。しかも拳に黒い靄のような纏わせている。完全に攻撃体勢。メインコンピュータのキーを叩いているルシリオンは気付いていない様子だ。それが判ったからこそ・・・

「ルシル君ッ!! うし――」

――闇の女王の鉄拳(サリュ・マンソンジュ)――

クイントは大きく声を上げた。しかし最後まで言い切るより先に、ドゴンッ!およそ人を殴った時に出る音とは思えない程の轟音と共に、「ぐぁ・・・っ!?」ルシリオンは殴られ、さらに黒い靄が拳の形となって彼を吹き飛ばした。その衝撃で幻術は解かれ、姿が露わになったルシリオンは空間モニターを突き破り、その奥の壁に叩き付けられてしまった。

「むふふ、絶景かな、絶景かな♪」

「ルシル君!」

「なんだ今の・・・!?」

「影から女の子が出て来た・・・!?」

壁に出来たクレーターの中心で「ぅ・・・ぐ・・・」苦悶の声を漏らすルシリオン。少女はさらに追撃を行おうとしているのかルシリオンに向けて手の平を翳した。彼の愛称「ルシル君!」とクイントは叫び、自らの存在を隠すような真似をせずに「このぉぉぉぉ!」少女へと立ち向かって行った。

「カートリッジロード!」

クイントの両手には“リボルバーナックル”という、カートリッジシステム搭載・非人格式・拳装着型のアームドデバイスが装着されている。手首部分には歯車状のパーツ、その名称をナックルスピナーという機構があり、ソレが高速回転することで回転力による打撃の威力強化や、魔力を加速させて撃ち出すことが可能だ。

「はぁぁぁぁぁぁッ!」

クイントの両脚にはローラーが4基付いたブーツが装着されている。それゆえに陸上での高機動戦を可能としている。クイントはナックルスピナーを高速回転させた右の“リボルバーナックル”を振りかぶり、ローラーブーツによる瞬発力で少女へと高速で突撃して行った。

「ナックルダスタァァァァーーーーーッッ!」

そして繰り出すのは魔力を圧縮し、上体から拳を強化して直接相手を殴りつける一撃ナックルダスター。ルシリオンを一心に見つめる少女は避けようとも防ごうともせず、クイントの一撃をまともに右頬に受けた。アベオとクラッコが「直撃!」とガッツポーズを
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