第九章 長い長い一日
第八話 長い一日6
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でに破損。
生身になっているのがわかるが、助けようにも距離が遠すぎた。
奈良坂は狙撃しようとした。
それより早く、眼鏡の少女が二人の間に割り込んだ。
風間を抱え、こちらに走ってくる。
「私が食い止めるから、逃げて!!」
「貴様も近界民か?」
「・・・早く風間さんを連れて。遠征艇で逃げて。」
彼女を追うように現れた歌川と菊地原。
菊地原は如月を抱えている。
かなり顔色がよくない。意識も薄い。
弓使いのトリガー使いはそんな如月を狙っているらしく、菊地原はそれに気づいた。
距離を置いたら撃たれてしまう。
「早く!!私は黒トリガーだから大丈夫!!」
「でも・・・」
ユウは気絶した風間を抱き上げ、菊地原の手を引いて走り出した。
他の全員がそれに迷いながら、シンクを置き去りにしていく。
最後まで迷った三輪は米屋に手を引かれた。
遠征艇までたどり着くと、ユウは全員が乗ったことを確認して、遠征艇を下りた。
歌川は遠征艇に『強制送還まであと60秒』という設定を見つける。
「まさか、はじめからそのつもりで」
菊地原の質問にユウは欠伸で答える。
「本来、俺は首が飛んで今はいない。
今からそうなるだけだ」
「自分勝手で傲慢だね」
「・・・これ以上シナリオに関わる気はない」
三輪はユウの後ろ姿を見つめた。
大切なもののために、そうする未来もあるのだろうか。
〜〜〜〜
俺は如月から貰ったトリガーを使う。
如月には俺のトリガーがある。
鬼怒田さんが怒りそうだが。
弓使いと黒トリガーの戦場に足を踏み入れ、体で感じた。
自分が後悔をしていないこと、自分がここで終わることを。
「できれば、二つを揃えたかったんだがな」
「残念だな。風間より本命は如月の頭か?」
「知っていながら風間とあの女をワンセットにしたのか。
嫌な奴だな」
嫌な奴は貴様だろう、と言いたいが押さえた。
挑発などこいつには無駄に過ぎない。
シンクの横で武器を構える。
「私、如月さんの代わりにはなれませんよ?」
「・・・本来ならお前に恋してたのさ。
代わりより・・・生まれ変わったら愛してやる」
「華麗に散りましょう・・・この地で」
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