番外『交わる世界』
交節・『戦慄』なる者と吹きすさぶ【禍風】
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り絡ぶった”事にフォラスは驚きで声も上げられなかった。
それが柔軟性を発揮した開脚と、反時計回りに身体を回しながらの前屈で避けられた、と気が付いても時すでに遅し。
「キィィアァ!!」
上半身を起こして奇声と共に放たれた、槍の剛速投擲を胸へ喰らう結果となってしまった。
「うぐうっ……!?」
デュエルの決着を付けるには当然足りないが、しかし衝撃のみでいえば重く響き渡る飛来物に思わず、フォラスはよろめき2、3歩たたらを踏む。
その間にもグザは起き上りダッシュ。
左手で空中に舞う槍をキャッチしながら、軸を変えてのレフトソバットがヒットする。
何の嫌がらせか、追加でたたらを踏まされる。
オマケに懐に入られてしまい、遠心力による速度と火力の両立が不可能となってしまっていた。
すぐさま【体術】スキルを繰り出すか、出さないか……一瞬フォラスは迷うも、
(駄目だ間に合わない!)
すぐさま判断を切り替え右回りに動きつつ距離を開ける。
更にスピードと遠心力を使い、今度こそ薙刀スキルによる青き一撃で、瞬速にて横薙ぎに振う。
が……どれだけ驚かせれば気が済むのか、グザはそれを後ろ向きからの『ブリッジ』で躱した。
「はぁっ…?」
「シイィィア!!」
驚く間を見逃す甘さなど、与えてもらえないのは自明の理。
グザは其処から息つく暇も無く、片手でロンダートを行い低空ジャンプ。
ズドン! と着地してからの回し蹴り―――
「ジャアッ!!」
―――から体を捻りつつ、鋭いオーバーヘッドキック。
まだ終わらない。
一度左手でフォラスの目線を惑わし、己の脇下を通す様な軌道でショートスピアを突き出す。
最後に肩を入れながらの打ちだされた剛穿を含めて、数連コンボを瞬く間に決めてくる。
ギリギリ当たる間合いからの攻撃だからか、フォラスも掠り傷だけで済ませる事が出来た。
しかし距離が近付いていた為に、追撃は出来ずまたも離れなければならず、反撃が儘ならない。
それでもと繰り出した横薙ぎを……今度は態と片足を引っ掛けて勢いから逆立ちになり、そこから柄を蹴り飛ばして体操選手みたく飛び跳ねながら距離を詰めてくる始末。
空中回し蹴りもどうにか捌いて、フォラスはまたも距離を開けた。
(【雪丸】じゃあ、この人相手には不利かなー……)
通常、彼の持つ薙刀・【雪丸】はその適性距離の長さにより、相手を徹底して近付けない戦法が得意。
だがグザはこれまでの相手と違い、見切って踏んでくるわ弾いてくるわ、思いもよらない方法を取ってくる。
現実で武道でもやっていたか、槍
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