番外『交わる世界』
交節・『戦慄』なる者と吹きすさぶ【禍風】
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“挑発”のジェスチャーすら取って見せる。
あからさまで、いっそ清々しく露骨なまでの『余裕』の態度。
「後悔しないでよ?」
「ヒヒヒ……なら後悔させてみなや」
見た目といい笑い方といい、この人アニメとかの立ち位置でいえば悪役だよねー―――と、フォラスはそう思わずに居られない。
それでも長いまばたきの後―――一瞬で切り替えてグザへ突貫した。
かと思えば、二メートル弱で停止し薙刀の刀身を彼へ突き付けた。
リーチ間の有利がある以上、下手に接近戦を挑むよりは、長柄の薙刀で対応した方が良い。
相手の手の内が不明なのも考慮すると、確かに理にかなっている。
(背が高いなら避けられない様に……ここっ!)
白一色で塗られた美しい薙刀が、閃きすら映さぬ速度を持って左脚を一閃。
「ほいっ」
それは躊躇いも無く持ち上げられた脚で、あろう事か『踏まれて』しまった。
「……えっ?」
元より筋力値の低いフォラスの一撃は、それで簡単にストップする。
グザは其処で止まらず膝を曲げて、【雪丸】を蹴っ飛ばし初動を遅らせてきた。
肉薄すべくか、グザに体が前屈みになり、槍の切っ先が彼の顔を向いた。
「させないよ!」
バックステップで軽く距離を取り、対応すべくフォラスも薙刀を胴へ振う。
それは片手槍で前屈みになりながら捌かれ、追撃の下段は当たる前にキックでカチ上げられ、引き戻しからの猛烈な踏み込みを活かしグザが一気に距離を縮めてきた。
横への斬撃は不味い。
判断を変えて【雪丸】を若干短く持つと、脚部や上半身へ目掛け突き入れる。
だが、グザの動と静の切り替えも見事なモノ。
「おっとと……」
すぐさま急停止し脚狙いは槍で、そのまま滑る様に移動させて上半身狙いも受け流す。
フォラスとて当然そのまま攻撃などせず、俊敏度を活かし距離を取る事を怠っていない。
「はあっ!!」
本格的に速度を増した、余りに素早く鋭いその刺突すら……フォラスにとっては立派なフェイント。
再び同個所を狙いながらも、下を睨む目線の向きとは全く違う、頭部への強烈なスラストを爆速でお見舞いした。
されど、それも頭を振って回避されてしまう。
……その裂帛の気概込めた一撃すらも、“騙暗かし”なのだと誰が気が付けるのか。
「喰らいなよっ!」
本命は肩口目掛けて振り抜く、約90p近くもある刀身での袈裟掛けだったのだ。
「嫌さね」
だから短槍を【雪丸】にあてられるだけなら未だしも―――
―――行き成りグザの『身長が低く』なり、【雪丸】が“思い切
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