2話『孤独者とイギリスの貴族(笑)』
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もうどうでもいい。部屋の鍵をくれ」
俺がそう言うと、山田先生が鍵をくれる。
「えっと、それじゃあ私たちは会議があるので、これで。織斑君、孤賀君、ちゃんと寮に帰るんですよ。道草くっちゃダメですよ」
そう言って二人は職員室の方へ歩いていった。
「なあ、孤賀。お前の部屋って何号室なんだ?」
「…………1017号室だ」
俺がそう言うと、バカは信じられないような表情をしていた。
(俺が部屋の場所を言ったのが意外なんだろうが、言ったのは適当な部屋だ)
「…………じゃあな、バカ」
俺はそう言うと、寮とは逆の道へ歩いていく。
バカには1017号室と言ったが、本当の部屋は1150号室だ。
(バカにからまれるのは、面倒だからな)
俺はそう思いながら歩いていると、中庭らしきところに来ていた。
此処は………似ている。
(…グッ、違う。此処はあそこじゃ……ない)
中庭に来た俺は昔の事を思いだし、激しい頭痛に襲われた。
「あら?君は噂の男性操縦者くんかな?」
そう言いながら目の前に現れる、青い髪の女。
「…知る……か」
「会話になってないのだけどって、君、大丈夫?顔色がわるいわよ?」
「……だったら、そこを………どけ」
「う〜ん、お姉さんとしては少し聞きたいことがあったんだけど、その様子じゃあ無理よね」
女はそう言うと、俺に道を譲った。
俺は覚束ない足取りで女の横を通りすぎると、寮の方へと向かう。
寮に着くと、すぐに部屋の前に行って鍵を開けようとする。
「…………開いてる」
鍵が開いてることを確認し、俺は部屋の扉を開ける。
「ああ、やっと帰ってきましたね!って、どうしたんですか!?顔色がものすごくわるいですよ!?」
部屋の中には山田先生がいた。
「………なんで、先生が…………ここに?」
「そんなことより、ベットに横になって下さい」
そう言いながら、俺を奥のベッドへと誘導していく山田先生。
「……グッ」
部屋に来ても、頭痛は止まる気配をみせない。
「大丈夫ですか、孤賀君?」
「……寝れば、治まる」
ベットに横になりながら、俺はそう言った。
「そうですか。では、何かあれば言ってくださいね?今日から私たちは、ルームメイトですから」
「…………はい」
先生が何か重要な事を言った気がするが、頭痛の影響でそこまで頭がまわらない。
俺はそのまま意識を手放すように、眠りについた。
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