2話『孤独者とイギリスの貴族(笑)』
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は生徒。先生は困ってる生徒を見かければ助けるのが当然のことですから」
私は自然とそう言い返していた。
「俺は困ってもいなければ、助けてもらう必要もない!」
私は、孤賀君が急に声を荒げたのに驚いた。
「俺はもう信じない!誰一人として信用しない!俺は信じることを捨てたんだ!」
「…………信じる必要はないですよ。これは私が勝手にやってることですから」
「それに、孤賀君は嘘をついていますから」
私は微笑みながらそう言った。
「……あっ、そうでした。孤賀君、早く教室に戻りますよ?早くしないと授業が終わってしまいます」
そう言うと私はもう一度孤賀君の左手を掴んで、教室に向かって歩いていく。
「…………もう、自分で行きますから手を放してください」
孤賀君は諦めたのか、そう言ってくる。
「ダメです。孤賀君は一応怪我人ですから、先生も着いていきます」
私はそう言いながら、教室まで孤賀君の手を放さなかった。
ガラッ
「すみません、織斑先生。孤賀君を連れてきました」
私はそう言って教室に入ると、孤賀君も私の後ろから入ってきて織斑先生に言われたように席についた。
私は決めた。
孤賀君に必ず信じてもらうことを。
〜無一人Said〜
教室に戻ってから渋々授業を受けていた俺。
最悪だったのは、あれからの授業を担当するのが暴力教師だったことだ。
そんなこともあったが、今は放課後。
(家に帰ったら文句ぐらい言っとかねぇとな)
俺が荷物をまとめて帰ろうとした時だった。
「織斑君、孤賀君。まだ教室にいたんですね。よかったです」
書類を片手に持っていた山田先生に呼び止められた。
「はい?」
俺と一緒に呼ばれたバカが、返事をする。
「えっとですね、お二人の寮の部屋が決まりました」
「…………ちょっと待ってくれ。俺はしばらく自宅からの登校だった筈だ」
「政府からの命令だ。仕方がないだろう」
俺の問いに答えたのは山田先生ではなく、暴力教師だった。
「………だったら、荷物を取りに家に戻ってもいいんだよな?」
俺は余計な事を聞かずにさっさとこの場を離れようとする。
「そのことだが織斑の荷物は私が用意した。孤賀の方は親御さん達が渡してくれた」
(……そんなに俺が邪魔なのかよ、あの二人は)
俺はそう思いながらも、今は感情を殺して話を続ける。
「一つ言っとくが、俺はこのバカと同じ部屋なら野宿させてもらうぞ」
俺がそう言った時、バカは驚いていた。
「その心配はない。お前らは別々の部屋割りだ」
「………なら、
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