2話『孤独者とイギリスの貴族(笑)』
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職員室から出ていった。
「……そういえば孤賀君を探すのはいいですけど、どこにいるんでしょうか?」
私は一番気になったことを呟いていた。
そこから私は孤賀君が行きそうなところを、手当たり次第に探しまわった。
学園のグランド周辺、各アリーナ、学生寮、そのどこにも孤賀君はいなかった。
そこで私はもう一度、学園の中に戻って屋上を探すことにした。
そして、三階から屋上へと続く階段を上っているとーーーー。
ガンッ!ガンッ!
「…………今さら信じられるかよ。友情?仲間?信頼?そんなものに何の価値があるんだよ!」
何かを殴るような音と、孤賀君の声が聞こえた。
私にはその時の孤賀君の声が、とても苦しんでいるように聞こえた。
そして私はゆっくりと屋上へと続く階段を上っていき、その扉を開けた。
ガチャ
「や、やっと見つけましたよ。孤賀君って、どうしたんですか!?その右手」
扉を開けるとそこにはやっぱり、孤賀君がいた。
でも、そんなことよりも私が一番気になったのは孤賀君の右手が血だらけの状態だということだった。
「…………べつに、これくらいなら大丈夫だ」
「大丈夫なわけないでしょ!とりあえず、保健室に行きますよ。ほら!」
私は大丈夫だと言う孤賀君を無理やり、左手を掴んで保健室へと連れていく。
ガラッ
「そういえば、保健の先生は会議中でしたね。孤賀君はそこの椅子に座っていてください」
私は孤賀君を椅子に座らせると、治療に必要なものを持って孤賀君の前に座る。
「右手を私の方に向けてくださいね」
私は水で濡らしたタオルで孤賀君の右手の血を拭いていく。
そしてそこに消毒液と塗り薬を塗って、ガーゼを当ててテーピングをしていく。
「はい、これで怪我の方は大丈夫の筈です」
「…………とう…………ご……ます」
「はい?何ですか?」
「…………いや、なんでもない」
一瞬だけ孤賀君がビクッとしたような気がしたが、私は話を続けようとした。
「織斑先生が孤賀君の事を探してくれって言いに来たときはどうしたんだろうって、思ってたんだけど…………何かあったのかな?」
「…………べつに。それに俺があの暴力教師に呼ばれたわけは、先生もあの時いたからわかってるはずですが?」
「…………確かにそうだけど、
私は孤賀君がなんでオルコットさんにあんなことをしたのかがわからないんです」
「ムカついたから、手をだした。それだけだ」
「嘘ですね」
私は孤賀君の目をしっかりと見て、そう言った。
「…………先生がどう思おうと関係ないですけど、俺にはもう関わらないで下さい」
「……それは無理です。私は先生であなた
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