2話『孤独者とイギリスの貴族(笑)』
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は、何があったというのだ!」
「もう、俺には関わるなと言ってんだろ!…………お前らにはわかるわけがないだろ!」
俺はそう言って教室から出ていく。
「待て、孤賀!」
後ろから暴力教師がそう言っているが、俺は気にせずに走ってその場から去る。
俺が走り続けてたどり着いたのは、屋上だった。
「…………くそ。なんでまた、あの事を聞かれなくちゃいけないんだよ!」
ガンッ!
俺は屋上の扉を殴りつける。
「俺は決めたんだ」
もう、何も信じないと。
もう、全てを捨てると。
全てを捨てて一人で生きるって決めた。
「…………今さら信じられるかよ。友情?仲間?信頼?そんなものに何の価値があるんだよ!」
ガンッ!ガンッ!
俺はそう言いながら力任せに、扉を殴り続ける。
「俺が信じるのは自分だけだ。…………ッいてぇ」
気づけば、俺の右手は血だらけだった。
どうやら全力で扉を殴っていたようで、扉は一部だけ凹んだ後があり、そこには血がついていた。
「…………なにやってんだ、俺は」
ガチャ
俺が手を押さえながらそう言ってると、目の前の扉が開いた。
「や、やっと見つけましたよ。孤賀君って、どうしたんですか!?その右手」
扉を開けて屋上に来たのは、副担任の先生だった。
「…………べつに、これくらいなら大丈夫だ」
「大丈夫なわけないでしょ!とりあえず、保健室に行きますよ。ほら!」
そう言って俺の左手を掴んで、無理やり保健室へ向けて歩いていく先生。
(…………確か、山田……先生だったか?)
俺はなぜかこの先生の事が気になった。
今まで名前すら覚える気もなかった筈なのに、この先生ーーーー山田先生だけは覚えていた。
ガラッ
「そういえば、保健の先生は会議中でしたね。孤賀君はそこの椅子に座っていてください」
俺が考え込んでいるうちに保健室に着いていたらしく、俺は指示通りに椅子に座る。
「右手を私の方に向けてくださいね」
そう山田先生は言って、俺の右手の血を水で濡らしたタオルで拭いていく。
そしてそこに消毒液と塗り薬を塗って、ガーゼを当ててテーピングをしていった。
「はい、これで怪我の方は大丈夫の筈です」
「…………とう…………ご……ます」
「はい?何ですか?」
「…………いや、なんでもない」
(なんで、お礼なんて言ったんだ?)
俺は自分の行動を不思議に思っていた。
「織斑先生が孤賀君の事を探してくれって言いに来たときはどうしたんだろうって、思ってたんだけど…………何かあったのかな?」
「…………べつに。それに俺があ
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