アインクラッド編
平穏な日々
紅色の策略 02
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「は、初めまして。 サチです……」
「サチ姉。 こっちは僕の妻のアマリ。 《惨殺天使》って言った方が通りがいいかな?」
「むー、そんな可愛くない名前は却下です。 ども、フォラスくんの愛する妻、アマリですよー」
「……で、こちらはギルド《血盟騎士団》副団長、《閃光》のアスナさん。 おっかないけど実は優しいツンデレさんだから安心して」
「その紹介は甚だ不本意ですが、初めましてアスナです。 フォラスさんは後でお話しがありますので覚悟しておいてください」
「ツンデレさんは不本意かな?」
「不本意どころか事実無根です。 私はあなたにデレた覚えはありません」
「ああ、なるほど。 妹にはデレデレだと」
「どこを聞いたらそうなるんですか!」
「いや、聞いたらって言うか、今までのアスナさんを見てたら」
「そんなつもりはありません!」
「お姉ちゃんは私が嫌いなのですか?」
「そ、そんなこと言ってないでしょ!」
「とまあ、こんな感じでシスコンだから」
「フォラスさん!」
こう言う時の姉妹の連携は僕でも感心してしまう。
僕の意図を瞬時に汲み取って、悪ふざけのテンションに合わせてくれる如才なさ。 きちんと姉妹仲を強調しつつ、さり気なくキリトを無視して話しを進めることでキリトとの関係を暗に否定する戦略。
まあ、そんなことを言うと浮気の言い訳が上手いみたいに聞こえるけど、それはそれ。 あまり気にしないで行こう。
と言うか、キリトとサチ姉とアスナさんとの関係が微妙にさせまいと、知らない人がいる中で会話に入ってきたアマリはやっぱりお姉ちゃんっ子だ。 こう言う連携プレイも、そう言えば久し振りに見た気がする。
「ところでサチ姉。 他のみんなは?」
「あ、うん。 先に席を取ってるって。 ほら、人が凄いから」
「そんなことより、メシくれよ。 もう腹ペコだ」
本当に空気の読めない馬鹿がそう言うと、サチ姉は苦笑しながら布で包んだ箱を手渡す。
キリトとは違って視線や空気に敏感なサチ姉のことだ。 僕たちが誤魔化しにかかっていることもお見通しなのだろう。 それでも何も言わないのは、やっぱり一緒に戦えないと言う引け目があるからだと思う。 肩を並べて戦えるアスナさんは、サチ姉にとってのコンプレックスで、だからこそ何も言えない。
それでもそんなことを考えているとキリトに悟られたくない一心で気丈に笑ってみせるサチ姉は、やっぱり優しくて弱い。
「キリトはそればっかり。 朝もいっぱい食べたのに」
「それはそれ、これはこれってな。 お、サンドイッチか」
「軽めにしたほうがいいと思って」
「ありがとな。 んじゃ、頂きます」
「はい。 召し上がれ」
アスナさんに遠慮してなる
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