Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 29. Academic Revolution
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えか。少なくとも、酒の席じゃそんなモンだったろ」
「あ、あれはもういいじゃないか!!」
以前ディアベルに付き合わされて飲んだ時、ノンアルコールで酔っ払って惨事を引き起こしたことを持ち出してやると、ケイタは頬を紅潮させて大声を出した。反応から見て、まだ気にはしてるみてえだ。
と、そんな風に俺らが駄弁っているところへバタバタと複数の足音が近づいてきて、
「おっめでとー! リィーダァーッ!!」
「ぅおっ!?」
蹴破られるような勢いでドアが開き、ダッカーがミサイルみたいな勢いで突っ込んできた。ベンチに座っていたケイタは咄嗟に飛び退き、コンマ五秒遅れて
「グフッ!!」
ダッカーが顔面から着弾。ベンチを片っ端からなぎ倒して停止して、そのままの体勢でへなへなと崩れ落ちる。
「お、オレの祝福のハグを回避するとは……さ、流石だぜ、リーダー……ガフッ」
「祝福のしの字もないだろ!? 僕を殺す気全開じゃないか! 祝う気ゼロじゃないか!!」
お決まりのパターンに乗っ取ってツッコミをいれるケイタ。律儀なヤローだ。俺なら蹴り一発かまして放置してるトコだっつのに。
「お、いたいた。優勝おめでとう、ケイタ」
「いやあ、ほんと凄かったよ……お、一護さんだ。お久しぶりです」
「よ、テツオにササマルか。惜しかったな、オメーらも」
この二人も、数日前までは勝ち残ってた組だった。
テツオは盾メイスに加えて金属鎧を身に纏い筋力ビルドを極めた壁戦士としてギルドの生命線になってるし、ササマルは猪武者を克服して敏捷タイプの攪乱型槍使いの立場を確立してる。二人とも着実に成長しているみてえだ。
「結局、俺もササマルも準々決勝で負けちゃったからなあ。ダッカーよりは、マシなのかもしれないけどさ」
「ああ、初戦でボコられて即敗退、だろ。この際言っちまうけどよ、オメー斥候の才能ないんじゃねえか?」
「ぐ、ぐぅ……」
「ぐうの音しか出ねえって言いてえのかこのドアホ。つまんねーギャグかましてねえでとっとと起きろ」
自分で仕掛けたトラップに引っかかって自滅するとか敵の奇襲に一戦で三回も引っかかるという無様を晒したアホに、俺は容赦ない言葉を叩きつける。
どうもコイツは、普段の戦闘じゃ全然問題ねえクセに、ああいう晴れ舞台だとアガっちまって使い物にならなくなるらしい。ちゃんとリーナ監修で敏捷特化のシーフとしてステータス鍛えてあるってのに、勿体ねえヤツだ。
突っ伏したままのアホシーフに呆れていると、廊下からパタパタと軽い足音が響いてきた。
「……はぁ、はぁ、もー、みんな速すぎるよ……あっ」
「よ、サチ。一週間ぶりくれえか?」
息を弾ませて現れた黒猫団の紅一点は、俺の姿を見るとパッと顔を
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