第五話
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面々も同じような表情だ。まあ、この日本で銃に詳しい人間は所謂、特殊な趣味の持ち主扱いされるしな。映画ではアクション映画で花形の道具として使われるが、それゆえそこまで世間の目も厳しくはないが、どんな趣味にでも限度を超えて仕事でもないのに専門家と同等の知識をもって実行に移すと……目の前の反応を見ればわかるよな。
そんなふうに考えてふと気がつくと、小室がイサカM37を何気なしに構えていた。
「小室。いくら弾が入っていないといっても人に銃口を向けるな」
「す、すいません」
「田中先輩の言う通りだよ。向けていいのは……」
「<奴ら>だけか……本当にそれで済めばいいけど」
「無理だな。もっとひどくなる。それを今日で嫌というほど思い知っただろう」
平野はある程度は理解して、あまり表情は崩れていないが、やはり他の面々は動揺は隠せなかった。あのチンピラ達との交戦が余程、衝撃が強かったのだと理解できる。
「今すぐ割り切れとは言わねえけど、<奴ら>じゃないから撃てないってずっと思ったままだと、早死にするぞ」
「……君たちは本当に高校生なのかい?この異常事態に妙に落ち着いているし、銃の扱いにも慣れている。」
「普通の高校生じゃないことは認めますね。それでも子供だからって甘えてるほど余裕のある状況でもありませんし。受け入れなければ生き残れませんよ」
そうだ。子供だの大人だの言って言い訳をして生き残れるほど甘くない世界になったしまったのだ。この日本だって例外じゃない。治安が悪く暴動が起きやすいのは発展途上国で、日本のように治安が整って経済も安定しているから安心というわけでもない。
先進国もちょっとしたきっかげ原因で暴動が起きて治安システムが崩壊するものだ。この日本では遅かれ早かれ……いや、既に崩壊が起きているんだ。
あのチンピラ達の馬鹿な行動がいい例だ。既に治安システム崩壊を起こしている。
「確かにどれも日本経由で入手できる武器だが、どんなコネを使って入手したんだが」
「いや、銃を入手できる事態で異常ですけど……でも、本当に静香先生の友達ってどんな人なんだろう。」
「警察の特殊部隊のSATの隊員だって先生が」
「警察だったらなんでもありかよ」
呆れた表情で呟く小室。
「まあ、普通の警官じゃないわな。独身の警官は、普通は寮で暮らさないといけないんだ。こんな部屋を借りれる事態で異常だからな」
「異常と言っても先輩も人の事を言えませんよ。あんな日本経由で入手できない軍用ライフルやら機関銃がある隠し倉庫を教えてもらえる時点で普通ではありませんよ」
「確かにな」
普通に考えて、あんな軍用で扱う規格の銃を持っている時点で俺も異常と言える。大抵民間に販売が許されてい
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