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少年は魔人になるようです
第108話 最後の戦いが始まるようです
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促す為に自然と一歩前に出る。


ゴゥッ!!
「うわぁ!?」
ドズンッ
「ふん、このくらいは避けるか流石に。」

「何するんですかー!?危ないですよ!」


途端、何の前触れも無く降って来た打ち下ろしを避ける。

また悪ふざけか激励と思い突っ込みを入れるけれど、ラカンさんの様子が普段と違い、底冷えする

目で僕を、僕達を見ているのに気付き、戦いの為に遅延していた魔法を解放・固定する。


「ネギ、いやお前らに、奴等と戦う前に聞いておく事がある。」

「なんですか?」

「……お前らは何の為に、あいつらをどうする気でいる?」


投げかけられた、またしても真意を掴めない質問に、皆で顔を見合わせてしまう。けれどそれは

何度も話し合って、その度に話し合うような事じゃないと結論されて来たものだ。


「僕達は麻帆良に帰る為に、帰ってきて貰う為に、愁磨さん達を倒します。」

「……そうか。ならそれを貫け。因みに俺らは助けねぇからな、頑張れ!!ハッハッハッハッハ!」

『『『えええぇぇぇええぇえぇぇえぇぇぇえぇぇえええええええ!?』』』

「………ちょ、何!?それ言う為だけにここに集められた訳!?どういう事!?」


真面目な顔から一転、大笑いして去ったラカンさん。戦の為に気合を入れ、彼の様子に更に気を

張った僕らは肩透かしを食らい、暫く惚けた後叫んだ。でも千雨さんはいつも通り呆れながら言った




「はぁー……あのオッサンが勝手なのはいつもの事だし、自分のケツは自分で持てってこった。」

「それもそうですね。行く所も相手も同じなのですから、味方には違いありません。…行きましょう

皆さん!愁磨さん達のケツを叩いてやる為に!!」

「ちょ、ちょっと頷きづらいけど、ええ!やってやろうじゃない!行くわよぉ!」

『『『お、おおーーーー!!』』』

………
……


ゴゥン ゴゥン ゴゥン―――

十年間。大戦を最後に静寂を通していた空に、無数の艦隊が重厚な駆動音を響かせ浮かんでいた。

その数はスヴァンフヴィートと同じ弩級戦艦が実に25隻。それ以下の戦艦が200隻以上並ぶ。

総軍数32万。それだけの人種の他に、アルビレオさんやガトウさんが協力を得ていた上位の魔獣、

総勢5万が軍に参加していた。


「すごい……壮観ですね。」

「ああ、数の上じゃ大戦の時を二倍近く上回ってる。」

「今回はこれだけではない。」
―――ザワッ

ヘラス陛下が上を指したと同時、雲を引き裂いて四本の光の柱が戦場に降り立った。

そこから、弩級戦艦を超える大きさの魔獣――いや、神獣が姿を現した。一体は式典で見た樹龍で、


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