第108話 最後の戦いが始まるようです
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戻る十字軍の面々。最後に残ったのは、やはりラカン達四人。
「明日ぁ、全員突入部隊か。ったく、詠春が居りゃ少しは楽なんだがなぁ!」
「魔力が高まるのに合わせ、あちらの世界樹も力を振るえるようになる筈じゃ。
開戦には間に合わんでも、必ず応援に来てくれる。」
「だと良いがな。……アル、お前はどうするんだ?」
「いざとなれば使います。それが私の役目ですので。」
事も無げに言うアルに、三人は軽い頷きだけで返す。正体を知っている以上、分かっているのだ。
力を使えば、この飄々とした友にはもう会えないのだと。しかし、それは自分達も同じ。敵の城に
直接乗り込む以上、結局は命を賭けるのだ。それも飛びきり、分の悪い賭けに。
「まぁ、我々のやる事は決まっていますからね。」
「ああ。愁磨をぶん殴って、ナギを引きずり出してぶん殴る!それだけだ!」
「ノワールやエルザはどうするのかの?」
「分かってるだろ。小突きでもしたらアリアちゃんに噛まれるぞ。」
「そりゃ勘弁だなぁ…………。」
妙に実感の籠ったラカンの呟きに、笑いが起こる。そして誰ともなく杯を掲げ、最後。
「取り戻すぞ。世界と、あいつらを!」
「「「応!!」」」
Side out
Side ネギ
翌日、早朝。戦の前の儀式があるからと呼ばれた僕達は、改めて闘技場で待っていた。
皆を見渡すと、昨日とは打って変わって、統一された服装になっている。朝にテオドラさんから
渡された、帝国の防御術式を編みこんだ和装チックな装備だ。一人ひとり、ポジションに合った
デザインの違う、白を基調としたものなんだけれど・・・千雨さんがボソッと『死に装束…?』と
言っていたのが妙に耳に残っているのが、不安を抱かせる。
「よぉ、待たせたな。」
「あ、ラカンさん。おはようござい、ます……?」
そうこうしている内に現れたラカンさんを見た瞬間、何か違和感を感じた。本気の愁磨さん達を
相手にするのだから、鬼気迫る闘気を纏っているのは当然だと思う。けれど、そうじゃなくて・・・
上手く言えないけれど、"本気を出す"ような雰囲気があるのはどうしてだろう?
「決戦まで三時間を切った。各軍ももうそろそろ、宮殿正面に展開し終わる頃だろうよ。」
「そう、みたいですね。ですから僕たちも早く行かないと。」
「あー……そうだよなぁ、行かなきゃいけないんだよなぁ……。」
どこか煮え切らず、世間話みたいな事を言ったり、返答をしながら頭をかくラカンさん。
相変わらず何をしたいのか察しがつかないけれど、少しでも早く"戦場"の雰囲気に触れておきたい
僕は、先を
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