暁 〜小説投稿サイト〜
少年は魔人になるようです
第108話 最後の戦いが始まるようです
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
戻る十字軍の面々。最後に残ったのは、やはりラカン達四人。


「明日ぁ、全員突入部隊か。ったく、詠春が居りゃ少しは楽なんだがなぁ!」

「魔力が高まるのに合わせ、あちらの世界樹も力を振るえるようになる筈じゃ。

開戦には間に合わんでも、必ず応援に来てくれる。」

「だと良いがな。……アル、お前はどうするんだ?」

「いざとなれば使います。それが私の役目ですので。」


事も無げに言うアルに、三人は軽い頷きだけで返す。正体を知っている以上、分かっているのだ。

力を使えば、この飄々とした友にはもう会えないのだと。しかし、それは自分達も同じ。敵の城に

直接乗り込む以上、結局は命を賭けるのだ。それも飛びきり、分の悪い賭けに。


「まぁ、我々のやる事は決まっていますからね。」

「ああ。愁磨をぶん殴って、ナギを引きずり出してぶん殴る!それだけだ!」

「ノワールやエルザはどうするのかの?」

「分かってるだろ。小突きでもしたらアリアちゃんに噛まれるぞ。」

「そりゃ勘弁だなぁ…………。」


妙に実感の籠ったラカンの呟きに、笑いが起こる。そして誰ともなく杯を掲げ、最後。


「取り戻すぞ。世界と、あいつらを!」

「「「応!!」」」

Side out


Side ネギ

翌日、早朝。戦の前の儀式があるからと呼ばれた僕達は、改めて闘技場で待っていた。

皆を見渡すと、昨日とは打って変わって、統一された服装になっている。朝にテオドラさんから

渡された、帝国の防御術式を編みこんだ和装チックな装備だ。一人ひとり、ポジションに合った

デザインの違う、白を基調としたものなんだけれど・・・千雨さんがボソッと『死に装束…?』と

言っていたのが妙に耳に残っているのが、不安を抱かせる。


「よぉ、待たせたな。」

「あ、ラカンさん。おはようござい、ます……?」


そうこうしている内に現れたラカンさんを見た瞬間、何か違和感を感じた。本気の愁磨さん達を

相手にするのだから、鬼気迫る闘気を纏っているのは当然だと思う。けれど、そうじゃなくて・・・

上手く言えないけれど、"本気を出す"ような雰囲気があるのはどうしてだろう?


「決戦まで三時間を切った。各軍ももうそろそろ、宮殿正面に展開し終わる頃だろうよ。」

「そう、みたいですね。ですから僕たちも早く行かないと。」

「あー……そうだよなぁ、行かなきゃいけないんだよなぁ……。」


どこか煮え切らず、世間話みたいな事を言ったり、返答をしながら頭をかくラカンさん。

相変わらず何をしたいのか察しがつかないけれど、少しでも早く"戦場"の雰囲気に触れておきたい

僕は、先を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ