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少年は魔人になるようです
第108話 最後の戦いが始まるようです
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擦る。生まれて初めての

優しいふれあいに、少女が顔を上げ、覗き込む。――何故、ここに来たのか。瞳がそう問うていた。

それは、愁磨が宣言の通りに動いたからに他ならない。


「言っただろう?『力になってくれるのならば、私が迎えに行こう。動けぬ者が居れば思え。

私が迎えに行こう。見えぬ者が居れば思え。私が迎えに行こう。死の淵にいようとも思え。私が

迎えに行こう。己が幸せを、皆の幸せを願うならば思え。―――私が力になろう』と。

だが……お前は優しいな。自分より先に、皆を救ってくれと願った。」

「っ!………ぅ、ぁ……?」


手を上げた瞬間、恐怖が蘇ったのか、身を竦ませた少女であったが、頭を撫でられているのだと

気付くと、きょとんと自分を撫でる愁磨を見上げた。そんな少女に心を痛めながら、一切外に

出さず微笑み、雪を触るかのように、優しく撫で続ける。


「さて、俺は皆を助けたぞ?まぁお前も入ってる訳だが……でも改めて聞こうか。

……お前は、どうして欲しい?」

「――――っ!」


そう問われた少女は身を震わせ、言うのを躊躇う様に俯いてしまう。しかし、手が往復する度に

また顔を上げ・・・再び目を合わせた瞬間、瞳から大粒の涙を流し、愁磨に飛びついた。


「ぁ……ぇて……、た、……すけてぇ……!」

「……ああ、もう大丈夫だ。安心して良い。ごめんな、今まで……。」


より小さく、より細くなった少女を優しく抱きとめ、あやす様に背中をポンポンと叩く。

暫く続け、嗚咽が小さくなった頃、そのまま少女を横抱きに抱え上げ立ち上がる。同時に、

共に来た部下らしき影達も獣人の少女や女性を抱え、立ち上がった。


「ふむ、やった事は許せんが今まで空気を呼んで声を上げなかった事は評価しよう。懸命だ。

その瞬間に首から上が無くなっていただろうからな。」

「あ、ぁ、はぁぁああ!ま、ままま待ってk「『デリート(消去)』。」
キュボッ!
「―――お前の魂は魔力として消費する価値すらない。」


恐怖で黙り込んでいた男が喋った瞬間、黒い球体が現れて丸い身体を飲み込み、一瞬で消えた。


「行くぞ、次だ。」

『『『『御意。』』』』


その短い応答を終えると、愁磨と部下もその場から掻き消え、次の救いを求める者の元へと向う。

明日の正午、決戦が始まるまでに、全員を救うべく。

―――――――――――――――――――――――――――――

そしてその頃、オスティアでは。


「して、主らはどう思う?」

「どうって言われてもなぁ……。見たまんまだ。」


祝賀会と慰労会と激励会を兼ねたパーティが終わった深夜も近
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