一章
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内はさわがしくなり、大量の酒と食料が積み上げられ、男たちの歌声が響いた。女はさけをつぎ、男は踊り、騒がしい早朝になった
「ゼロさん!おれ、あんたに憧れてんスよ!軍も賞金稼ぎも物ともしねぇあんたに!サ、サインくだせぃ!」
「却下」
「盗賊として、ゼロさんのあれには驚いたよなあ。1億は越える宝石を盗んだとき!誰一人殺さず、何一つ傷つけず気づいたら空の上!はぁ〜〜かっちょいい!」
「あー、あの仕事ねぇ。だいぶ昔のことじゃねぇか」
「そりゃあゼロさんの偉業っスもん!ワルってどこにでも居ますけど、海賊でも空賊でもなく単独なんてスゴすぎますよ!ゼロさんを目にして生きてたやつはいないって噂っすからね!」
「ありえねぇ。それが本当なら、だれがその噂流したんだよ」
「………」
豪快な盗賊団は大声で笑い続けた。ゼロはニヤリと笑うだけ。酒がまわり、騒がしさも際立った頃だった。
ゼロがふと口を開いた
「……で。さっきから聞こえるガキの泣き声はなんだ?」
騒がしい宴が途端に静まる。誰もが固まってゼロの方を見る。ゼロはククク、と笑うだけだ
「お前らの飲んでる酒は全部水で薄めてあるし、俺の酒には睡眠薬いり。俺を殺せなくても、眠らせてやり過ごそうとでも思ったか?残念だが、俺にはこういったモノは効かねぇ…が、量を考えろよな。致死量こえてるぞ。常人ならくたばってる」
冷めきった宴の場に……
「……てめぇら……んなことしてたのかぁ!!!」
途端に怒声が響き渡る。笑い、緩んだ顔が一気に恐怖にひきつり、泣き叫ぶように手下は言った
「すんません!大ボス!か、頭の指示で……。この取引は成功させねぇといけねぇから、ゼロさんに壊されたくないって……」
「あんのバカ息子!!何処いった!?あのガキ、いっぺん殺してやる!」
「ひ、ひぃぃぃぃぃ!」
酔いもまわり、暴れかたにもふらつきが見えるフォスタを、容易に止めたのはやはりゼロだった。加減のついていない拳が、すっぽりとゼロの手におさまる
「まぁ落ち着けよ。こんなしたっぱにキレてもしょうがねぇだろうが」
「でもよゼロどの!!わしは!!」
「いいから、その頭ってのに会わせてもらおうか。挨拶くらい、しねぇとマナー違反だもんな」
ゼロの悠然とした口調も、ニヤリと笑った顔も、盗賊たちには恐怖でしかなかった。すごすごとたちあがり、そこへ案内する。
この砦の頭のところへと
……付け加えるならば若干1名、そんなゼロを見ても目を輝かせる変わり者もいた
「すまんなぁ、ゼロ殿」
「睡眠薬のことか?別になんともねぇよ。それより、あんたが隠居の身だったとはな」
松明で照らさ
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