26話 アクシズ、起つ 2.10
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ーを見た時、既にガンダムの姿はなかった。
通信回線でランバ・ラルの呼びかける声が聞こえてきた。
ハマーンは自らのノーマルスーツのヘルメットを脱ぎ、ピンクのボブヘアーをコックピット内になびかせていた。
「大丈夫かハマーン」
「・・・ああ、問題ない。ガトー少佐はどうです?」
全身焼かれた色をしたノイエ・ジールがハマーンの傍まで来ていたことをハマーンは感じ取っていた。
「ああ。こちらも機体の外傷だけだ。オレ自身は問題ない」
ハマーンは人的被害が無かったことに安堵した。
そしてハマーンは総括した。
「敵は間近のようだ。それに手強い。今まで劣勢でいた理由が理解できた」
ガトー、ランバ・ラルともに頷く。
「彼らの想いは大人の範疇より外れている。前から知っていたが、彼ら、グレミー達の想いは純粋だ。だから余計にたちが悪い」
「そうだな。所詮我らの理屈など、彼らの理想とは程遠い」
ガトーはそう述べた。3人共ギレンの野望、グレミー軍のこと、そしてその内情と、この3年間でかなり精通していた。
「しかし、子供が戦場にとは・・・やり辛い」
ランバ・ラルも含め、誰もがそう思っていた。グレミーの軍構成、所謂モビルスーツパイロットの構成が大体10代だった。大人が子供を殺すことになる。理由があれど、したくないのが心情、本心であった。
「私らはゼナ様の思想に従ってきた。反ギレンと言う思想だ。一個人の私怨では、中々戦意に限界がある」
ハマーンがそう発言すると、ガトーが頷いていた。
「そうだな。ギレン総帥のやり方に反発する、その考えだけでこの3年間戦い抜くにはモチベーションが難しいな。私も外に出て改めて気付いたことがあった」
ガトーの話にランバ・ラルが尋ねた。
「ふむ。それは?」
「世界の実情だ。ゼナ派に属してからは、今までの軍の括りから離れた。ゼナ派にはそういった思想的な規律が皆無だった。ハマーンの父君のマハラジャ様から世の理を学んだ。その上でゼナ様を助けて欲しいと・・・」
「マハラジャ・カーンか・・・。あの傑物は大した見識だ。ガルマ様と同じものを見ていた」
ハマーンは父の話題が上がり、ランバ・ラルにその同じものについて聞いた。
「ラルさん、同じものとは?」
「柔和的な地球圏の統一さ。スペースノイドの真の自立。地球と対等のな。そのために使者、いやむしろ指導者がアクシズに到着するはずだ」
「指導者?一体何者でありますか?」
「シャア・アズナブル。本名、キャスバル・レム・ダイクン。ジオンの遺児だ。スペースノイドの真の独立の柱として相応しいと私は思う」
「シャア・・・アズナブルか・・・」
そうハマーンは呟いた。戦時中で幾度も聞いたジオンの
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