第33話 穏やかな一時
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「了解。いつでもいいよ?」
「よし…落砕牙!!」
一気に跳躍してセイバーを下に構え、一気に下降しながら電撃を纏わせた下突きを繰り出した。
「ぐっ!!」
セイバーで受け止めるが、激突の瞬間にゼロのセイバーから電撃弾が出たので、ルインは咄嗟に体を捻って回避する。
「危なかった…。でも使えそうだねこの技も」
「そうか…」
「私は少し夜風に当たってくる。ゼロは?」
「俺はもう少し技の練度を上げる。」
ゼロは技の練度を上げるために、トレーニングルームにもう少しだけ残るようだ。
ルインはトレーニングルームを出ると、エレベーターに乗り込んで屋上に向かった。
そして屋上に出ると、不思議なことに雪が降っていた。
「わあ…雪…どうして降ってるんだろ?まだ冬じゃないのに」
冬でもないのにかなりの勢いで降っているので、しばらくすれば積もるだろう。
「ネオ・アルカディアの天候装置に少し異常が発生したようなんだ。しばらくすれば止むよ」
「え?」
背後を見遣ると見慣れた蒼いサイバーエルフがおり、サイバーエルフはすぐさま人型となる。
「エックス…どうしたの?何かあったの?」
「君に会いたくなった…じゃ、駄目かな?」
「……っ」
何で目の前にいるレプリロイド…今はサイバーエルフはこうも人を赤面させるようなことをサラリと言えるのか。
二百年という長すぎる年月がエックスをこんな天然タラシに変化させたのか?
いちいちエックスの発言に赤面してしまう自分が悔しくて、上目遣いで睨むが、エックスには通用しないうえに寧ろ笑みを深めているだけだ。
「(………あれ?)」
気のせいかもしれないが、一瞬だけエックスの姿がぼやけたように見えた。
しかしエックスは何でもなさそうにしているために見間違いだろうと思うことにした。
「それにしても思い出すねルイン。こうして君と一緒に雪を見ていると、最初のイレギュラー戦争で南極に行った時も君は雪を見てハシャいでいたな…」
「も、もう!エックスはどうしてそんな昔のことを思い出すの!?恥ずかしい!!」
二百年前の最初のイレギュラー戦争でペンギーゴと戦うために南極に訪れたのだが、シティ・アーベルを離れたことがないルインが初めて見る白銀の世界に目を輝かせていたのだ。
あの時の自分はハッキリ言って子供だった。
「(絶対ゼロに知られるわけにはいかない。もし知られたら何て言われるか…)」
ゼロの性格から考えて、恐らく心底呆れたような表情を自分に向けてくるに違いないと判断する。
「あの時は本当に大変だったな…」
イレギュラー戦争で死んでいった仲間達。
そしてシグマを倒してから隊長となり、死ん
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