十節・立ち向かう戦士達
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」
「……ハ」
グザ目掛けて突っ込んでくる別のコボルドに、彼は息だけ吐き何も言わず……ニヤッとした底の読めない笑みで応える。
―――直後に限界まで長く持った槍がコボルドの兜に衝突し、走行中だという事もあってか容易に体勢を崩してしまう。
オマケとばかりに、後ろから数秒違いで迫っていた二体目を巻き込んで、スタントマンや芸人もビックリのド派手な転倒へと発展した。
やはり可笑しいのかグザは顔の笑みを強めるも、しかしそこで動きを止めたりはしない。
ゴロゴロ転がって己のすぐ横に来たコボルドから、三歩距離を取って槍を構え、まず起き上りの遅い方へ刺突を一発打ち込む。
すると、隙有りとみた起き上りの早い一体目が突撃してくる……のだがそれも見越していたらしくグザに紙一重で避けられ、武器は虚しく地面に衝突。
更に武器を思い切り踏まれて持ち上げられず、モタついている間に喉元へ二発のスラストが命中した。
「『グルアアァァッ!!』」
「『グルオオオオッ!!』」
転倒状態から立ち直った三体目が背後から、一体目と入れ替わる形で二体目が、鋭く肉薄しグザの上半身へ叩きつけんと野球バットもかくやの豪快なスイング。
「甘ぇんだって」
「「『『グボホオオッ!?』』」」
……それすらも開脚からの前屈で容易に回避され、逆に合い打ちを誘発してしまう始末。
「シィイアッ!!」
グザは一端槍を宙へと放り投げ、両手をついての起き上りから逆立ちのまま三体目へ蹴り入れ、落ちてきた槍をキャッチして二体目に足払いをかます。
うつ伏せに倒れたコボルドの首元を槍で飛び退きつつ軽く撃ちすえて、大きく屈んだ体勢からバク宙しつつ前方へ跳躍した。
一体何の意味が―――と思う暇もなく一体目のコボルドの握る凶器が、先程までグザの居た空間を通過する。
「オォラッ!」
「『グエッ……!?』」
倒れていた二体目の背中への落下から、1秒と経たず両足で蹴る様にして跳び、三体目の側頭部目掛けて叩き込まれるキック。
そこでグザは半回転してしまい、一体目のコボルドが背後から武器を思い切り叩きつけて―――グザは後ろを向いたままに槍を構え左肩を狙っていた一撃を止めてしまう。
コボルドの攻撃は此処で終わってしまう……が、グザの攻撃は終わらない。
敢えて更に後方へ半歩踏み込んで、左手を大きく振り上げ、逆手持ちのナイフの如く斬り付ける。
体勢を左半身へ変えれば、既に槍を突き出す前の格好を自然と取っている形になり、三連続スラストが淀みなく胴体に命中。
続いて柄で打ち上げ打ち下ろし、体勢を右半身に変えてより強力な一突きを見舞う。
「ジャッ……!!」
「『ゴ……
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