第34話 フェリア帰郷
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「待っていたよ、はじめましてだね。私はジェイル・スカリエッティ。ここの責任者になるのかな」
「有栖零治…………知ってると思うけどな」
「そんなに警戒しないでくれ。別に危害を加えるつもりはないよ。ウーノ、コーヒーを2つ持ってきてくれないか?」
「了解しました、ドクター」
入口付近にいたウーノが部屋から出ていく。
「取り敢えずそこの椅子にでも座ってくれ」
俺の予想以上に部屋の中は綺麗だった。
もう少し機械の部品やらが散らばってると思ったけど………
「で、君は私に用があって来たんだろう?」
「っと、そうだった。単刀直入に聞くけど、何故仕掛けてこないんだ?」
「……………何のことだい?」
「俺達の戦闘も見ていたんだろ?なのに何もないことが逆に不気味でな。だから直接聞きに来たんだ」
「なるほど、だけど君たちに危害を加えることはないよ。チンクやセイン、ノーヴェにウェンディも君たち家族を気に入ってる。娘達の為にも危害を加えるつもりはないさ」
軽い口調でスカリエッティが言う。
しかし、スカリエッティってこんなに優しい雰囲気だっけか?
もっと不気味な感じだと思ってたけど………
「ドクター、コーヒーを」
「ありがとうウーノ。零治君、君はブラックで大丈夫かい?」
「ああ、ありがとう………」
俺はまだ戸惑いながらもコーヒーを受け取る。
「………………」
「大丈夫だよ、コーヒーには何も入ってないから」
信じられるか。
「………まぁいい。それじゃあ、今度は私が君に聞きたいのだが………」
「なんだ?」
「君は黒の亡霊か?」
「……………何故だ?」
「まず、君のこの能力」
そう言ってパネルを操作し、ディスプレイにあの時の戦闘の映像が映る。
「ここだ」
その映像は星を触り、一緒にジャンプしている映像がスローモーションで再生される。
「君は敵の砲撃を避けるのに、彼女を触って転移した。距離は短いが黒の亡霊の転移と同じようだった。そう思い二つを比べてみたんだが………」
「どちらも魔力を使っているが、普通の転移とはスピードが違いすぎる。それに魔力の消費が普通の転移とは桁違いに魔力を使ってない。その辺からこの二人は関連性があるのではないかと思ったのさ」
見事に正解だわ………………
前にも言ったように俺のボソンジャンプの利点は、スピードと魔力の消費量。
普通の転移みたいに違う管理外世界には飛べないけど、その分、瞬間移動みたいにその場から一瞬で消え、現れることができる。ブラックサレナは少し長距離を飛べるようにしたため、消える時と現れるときに3秒ほど時間がかかるのが唯一の欠点だ。
逆に普通の時の欠点は転移の距離が短すぎ
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