大和
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達はすぐさま疲労した体をおして出撃した。
一体何体の敵を葬っただろう。
もうすでに46p三連装砲は使い物にならなくなり、15.5p三連装副砲のみで戦っている。
周囲を見ると、幾人かいなくなっている。
敵は撃破しても撃破してもいなくならない。
むしろ増える一方だ。
「負けちゃダメ!」
自分にそう言い聞かせる。
そうでもしないと、自分の心が折れてしまいそうになるからだ。
「あれ?」
弾が切れた。
私が使える武器は何一つなくなってしまった。
「このままでは!!」
そう言った瞬間、後方から轟音が聞こえてきた。
慌てて、後ろを振り向くと提督の乗っていた駆逐艦が炎上していた。
「て、提督!!!」
慌てた私は頭部に強い衝撃を受け、気を失った。
最期に見たのは、提督の艦が大爆発を起こした所だった。
次に私が目が覚めたのは昏い昏い海の底だった。
「提督は…どこ?」
浮上して、提督の場所を確認するが、そこには何もなかった。
それからの私はずっと放浪を続けていた。
仲間がいれば、提督の事を聞こうとした。
だが、皆、私に攻撃をしてくるばかりで話一つ聞いてくれない。
いつしか私は提督を探すと言う目的の為に攻撃をしてくる艦娘たちを攻撃するようになった。
とある記録がある。
名前はかすれて確認できないが、とても優秀な提督がいたのだと言う。
その提督のたった一度の敗戦。
自らの命さえも奪った戦いだった。
その戦いの中で一人最後まで戦い沈んだ艦娘がいたと言う。
その艦娘の名前は『大和』。
かつて第二次世界大戦末期に日本の威信を背負って就航した彼の戦艦。
だが、偶然生き残った『文月』と言う駆逐艦の証言によると、提督の乗っていた艦が沈んだのに気を取られ、敵の砲弾が直撃、そのまま轟沈したそうだ。
だが、その数日後にその海域で新たな深海棲艦が出現。
遠征中の呉鎮守府の艦隊が全滅。
ただ、運よく生き残った艦娘たちの話を総合すると、誰かを探しているらしい。
戦う前にその口が「どこ…」と動いていたそうだ。
現在もその深海棲艦は彷徨っていると言われている。
もしかしたら、彼女は自身の提督を探して彷徨っているのかもしれない。
某月某日(木) 筆者 ■■■■
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