逆転の発想
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「グレイ!!待て!!」
それを見たリオンは敵・・・というよりも恋敵であるグレイが飛んでいった姿を見て、まだ決着はついていないと追いかけ始める。
「がっ!!」
グレイに衝突したことで勢いが弱まったのか、シリルはしばらくしてようやく止まることが出来た。だが、グレイはぶつけられたせいで、リオンと戦っていた場所よりもかなり遠いところへと飛ばされていったようだった。
「うぅ・・・」
「これ・・・いつまで続くの・・・」
身を震わせ、少しでも暖を取ろう互いに強く抱き締め合っているのは妖精の尻尾のジュビアと蛇姫の鱗のシェリア。
2人の少女は現在レオンが放っている魔法『破滅の冬』で気温が下がってしまったせいで凍えてしまっており、動くに動けなくなっているのである。
いつまでも止む気配のない吹雪。ジュビアは厚着にニット帽まで被っているのにこの震えよう。ノースリーブにミニスカのシェリアは彼女の何倍も寒いはずである。
「どわあああああ!!」
そんな2人の耳に、聞き覚えのある声が聞こえてくる。彼女たちは目を軽く開けて声の主を探す。すると、かすかにではあるが、その人物を捉えることが出来た。
「あれって・・・」
「グレイ様?」
叫びながら飛んできているのはジュビアの想い人、グレイ・フルバスターだった。
グレイは何かによって飛ばされてしまったようで、かなりの速度で抱き合っているジュビアとシェリアに飛んできている。
「え!?ちょっと!!」
シェリアは嫌な予感をしたようで、顔を真っ青にしている。
グレイは自分がジュビアたちにぶつかろうとしているのにようやく気付いた。だが、彼にはそれを止める術がない。
「あ〜ん♪グレイ様〜!!」
「ひゃっ!!」
大好きな男性が自分目指してやって来ているのだと勘違いしたのか、ジュビアは目をハートにして彼を抱き締めようと両腕を広げる。その際彼女とさっきまで抱き合っていたシェリアは軽く投げ捨てられた形になり、尻餅をついていたが。
だが、グレイはシリルと衝突したせいでかなり早めに飛んできていたせいで、
ゴチンッ
頭と頭が激突して倒れ込んでいた。
「いった〜」
雪がついてしまったお尻を叩きつつ、立ち上がるシェリア。彼女は飛んできたグレイと自分を投げたジュビアに一言言いたくて彼らのことを探していたのだった。
「もう!!一体なんな・・・の・・・」
2人を見つけたシェリア。彼女は吹雪の中でかすかに見えたグレイとジュビアを見て固まってしまう。
水髪の女性が黒髪の男性に押し倒されている形になっており、2人の唇がはっきりと重なってい
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