逆転の発想
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に空気を吸っているのを感じる。もう後ろを振り向いて彼が放とうとしている方向を確認する余裕はない。一か八かレオンのブレスから逃れようと試みるがそれよりも早く、
「怒号!!」
レオンのブレスが俺の背中を直撃した。
第三者side
「「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」」
2人の青年がボロボロになり、肩で激しく息をしている。両者共に氷の魔導士である彼らは、この吹雪の中でも互いの能力を出し切った戦いをしていたため、かなりの疲労が溜まっているようだった。
「全く・・・しぶとさだけは一級品だな、グレイ」
「そのセリフ・・・そっくりそのまま返してやるよ」
普段は絶対にかけないであろう相手を褒める声。それを聞いた2人は笑みを浮かべる。
「にしても・・・さすがにやべぇな・・・」
上半身裸で、腕にアームカバーをつけている黒髪の青年は傷だらけの自分の体に視線を落としそう呟いた。
相手も今でこそボロボロになってはいるが、彼はすでに別の相手とも戦っていたがために全身ズタズタである。それでもこうして立っているのは、こいつにだけは負けたくないという強い気持ちのおかげなのかもしれない。
「フゥー」
大きく息をつき、精神を安定させるグレイ。そこから彼は兄弟子であり、敵であるリオンを真っ直ぐに見据え、両手を合わせる。
「アイスメイク・・・」
彼の魔法である氷の造形魔法・・・それはこの吹雪の中で通常よりも威力を増しており、相手に与えるダメージは凄まじいものへとなっていた。だが、それはリオンにとっても同じことなのである。
「アイスメイク・・・」
グレイと同じように両手を合わせて冷気を纏わせる。2人の造形魔導士が同時に技を繰り出そうとしたその瞬間、
『わあああああああ!!』
何かの叫び声が聞こえてきた。
「なんだ?」
「この声は・・・」
やる気を削がれた格好になったグレイとリオン。2人は同じタイミングで声が聞こえてきた方向へと視線を移す。
叫び声と共に何かを突き破りながら進んでいる音が聞こえてきて、嫌な予感を拭いきれないグレイ。彼のその予感は見事に的中する。
「わあああ!!」
「シリル!?」
自分たちの周りを囲んでいた家の壁から、水色の髪をした少年がこちらに向かって飛んでくる。しかもかなりの速度で飛んできていたため、少年は一瞬のうちにグレイの目の前までやって来ており、
ガンッ
グレイに避ける暇さえ与えず、衝突してしまった。
「いったぁ〜!!」
「なんで俺まで〜!!」
ぶつかったグレイは飛んできたシリルの勢いに押されて、彼と一緒に飛ばされていく。
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