逆転の発想
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い魔力。まるで魔導士の完成形を見ているようだよ」
細かな技量は無くても、自分の長所をただひたすらに伸ばしていったからこそできる領域。それは努力や絆よりも先に“才能”がなければ絶対に到達できない。
才能は持って生まれた瞬間におおよそ決まっている。俺は偶然、自分に与えられるはずだった魔水晶を手にいれたことで視力が超人的に良くなった。そう言う例外もあることはあるけど。
「完成形ね・・・俺は全然そんな気はしないけどね」
別段表情を崩す様子もなくそう返してくるレオン。彼は自分の能力の高さがどれ程なのか、いまいちわかってないんじゃないだろうか?その一番の原因は幼い頃の嫌な記憶にあるのだろうな。
「まぁ・・・今はその方がありがたいけど」
勝負ごとにおいて、俺は勝つためには3つの要素が必要だと思う。1つは力。他者をねじ伏せ、自分の思いのままに試合をコントロールできる能力。
2つ目は“運”だ。『勝利の女神が微笑む』ってよく言うけど、あれって要は神様の気まぐれってことだろ?勝負は時の運とも言うし、普通なら勝てる相手にもたった1つの不運で負けることはある。だから運もツキも大事だと思うんだ。
3つ目は・・・“想い”だ。例えどれだけ強かろうとも、運が味方してくれようとも、『勝ちたい』『勝てる』そういう気持ちがなければ体は付いてこれないと思う。
1つ目に関してはレオンが優勢だろう。技量なら俺にも分があるかもしれないけど、パワーに差がありすぎて正直厳しいところがある。
2つ目は・・・今はよくわからない。レオンに味方している時もあれば、俺に味方してくれてる時もある。どっちに傾いてるかなんて、全く予想はできない。
だけど、3つ目に関しては間違いなく俺の方が上だ。レオンは自分に自信がないから、勝とうという欲が少ないんだ。仲間のために負けられない俺と力でねじ伏せにいきたいレオン。気持ちにおいては誰がどういうとも俺が圧勝に決まってる。
それに、今まで俺たちは格上の相手と戦うなんてしょっちゅうだったじゃないか。エンジェルもエリゴールも、エドラスの俺もドロマ・アニムも、カミューニさんもコブラもハデスも・・・みんなあっちの方が絶対に強かった。だけどそれを俺たちは覆してきた。仲間のためにって想いで。
今回の相手だって同じだ。今までよりも遥かに格上なだけで、何も変わりなんかない。気持ちでさえ負けなければ、何とかできるはずだ!!
「水竜の・・・」
痛む体にムチを打ち、敵に拳を叩き込もうと魔力を込める。
「鉄拳!!」
自分が今できる最速の動きでレオンに右ストレートを押し込もうとする。しかし、その渾身の一撃はあっさりレオンに交わされてしまい、背後を取られてしまう。
「氷神の・・・・・」
背後から敵がブレスを放つため
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