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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
逆転の発想
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「がっ・・・あぁ・・・」

レオンの強烈な膝蹴り。そのあまりの痛みに呼吸が荒くなり、涙が止まらなくなる。しかもレオンが腕を掴んでいるせいで飛ばされることもなく、痛みを引かせる時間も飛ばされることで多少のダメージを緩和させることすら許されない。

「ごめんごめん。でもこれは戦いだから」

悪く思わないでな、といい腕を掴んだまま、反対の手で腹部をパンチしてくる。

「ご・・・は・・・」

彼の一撃があまりにも強力すぎて、内臓が抉られるような・・・そんな痛みと吐き気が同時に込み上げてくる。
さすがに苦しすぎて、膝をついてしまう。それを見てなのかどうかはわからないけど、レオンは掴んでいた腕を離してくれる。俺は少しでも苦しさから解放されようと四つん這いに深呼吸をする。

「さすがにやり過ぎちゃったな。俺、手加減とか全然出来ないからさぁ。全力でやるしか俺にはないんだ」

上から見下ろしながらそう言うレオン。俺はそれに対し何か言葉を返そうにも、呼吸をしているのがやっとの状態なため、ただ下を向いて肩で息をしていることしか出来ない。

「本当に大丈夫?ギブアップしてくれるなら破滅の冬(フィンブル)も引っ込めるよ?じゃないと運営も何が何だかわかんないだろうし」
「だ・・・誰がギブアップなんか・・・」

痛むお腹を押さえながらフラフラと立ち上がる。俺は絶対に降参なんかしないぞ。
優勝するためには1人でも多くの人を倒さなきゃいけない。それに他の皆さんもそれぞれの敵と戦っている。今レオンに俺が降参してしまえば、彼は迷わず他のメンバーの援護に行くだろう。
そうなるといくらラクサスさんやグレイさんでも勝利するのは厳しくなる。
そして何より・・・ウェンディだって今の俺と同じくらい辛かったはずなのに、格上のシェリアに降参なんかしなかったからだ。
むしろ俺の方があの時のウェンディよりも状況はいい。シェリアはいくらでも傷の回復が出来るから、ただウェンディにダメージが蓄積していくだけの展開になりかねないところだった。
だけどレオンにはそんなことは出来ない。おまけにこいつはグラシアンさんとの戦いで満身創痍になっていた。それなのにウェンディが棄権しないで俺がするなんて・・・絶対にやっちゃいけない!!

「本当にシリルはすごいな・・・魔法だけじゃなく、精神力(メンタル)まで一級品なのか」

どこか羨ましそうな目付きで俺のことを見つめているレオン。でも、それに関してなら俺だって同じことが言えるぞ。

「俺もお前が羨ましいよ」
「?俺の?どこが?」

素頓狂な顔をして質問してくるレオン。俺は痛みで乱れていた呼吸を整えながらそれに答える。

「圧倒的なパワー。広範囲に影響を与えられる魔法。そして、それをいくら繰り出しても尽きることのな
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