第8話 アウトローに主夫が征く
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そこに小雪の唐突な提案により、士郎は膝枕をしていた。
「ふみゅー」
「猫みたいだな」
自分の膝を枕に気持ちよさそうに寝る小雪の姿を見て、頭を優しく撫でてあげると、主人に撫でられて落ち着いている飼い猫のような表情をしている。
それを後ろで意識だけは起きた辰子が見る。
「ん〜、シロォ〜」
「ん?」
「私も〜」
「・・・・・・・・・ヤレヤレ」
小雪の気持ち良さそうな顔に惹かれたのか、辰子は小雪とは逆側の士郎の膝枕に頭をダイブさせた。
小雪同様に士郎としては何時もの事なので、驚きも拒みもせずに受け入れる。ただ言うなら――――。
(男の膝枕なんて気持ちいとは思えないんだがな)
そんな風に相変わらず自分への評価が低い士郎だった。
しばらくの間そうしていると、この家にものすごい速度で近づいてくる気配があった。
(楽天的だが感情の揺れ幅が大きいのは天だな)
気配にて、誰をと予想した士郎。
そして玄関口の扉が勢いよく開いた。
「辰姉ェ〜昼め――――って、なんじゃこの美味そうなカレーの匂いー!」
「相変わらず騒がしいな」
「あっ!士郎か。――――って事は」
「士郎の作った昼飯かい」
天使の言葉を引き継いだのは、川神院元師範代の釈迦堂刑部と共に何時の間にか彼女の後ろに来ていた板垣姉弟の頭であり稼ぎ頭の姉、板垣亜美だった。
「はい、毎月通りです。それじゃあ――――」
「私が寄そうよ。あんたは一応客何だし、その間に辰とその娘を起こしてな。それじゃあ身動き取れないだろう」
亜美は士郎の返事を聞く事なく、皿にライスとカレーを寄そい出した。
士郎は、そんな亜美の言葉に素直に従って、2人を起こすのに勤めるのだった。
−Interlude−
「はぁ〜、食った食った」
「うまかったー!」
辰子と双子(弟)で板垣姉弟の長男である板垣竜兵の帰りを待つ事無く、結局全部5人で食べてしまった。士郎は一杯だけだが、天使がかなり多くのお替わりをした結果だ。
昼食を食べ終わったので亜美は仕事?に行き、士郎がやろうとしたが家事は自分の担当だと言う事で辰子が食器を洗い、釈迦堂は食後の余韻で寛ぎ、そして天使は――――。
「アタイ、遊びに行ってくるぜー!」
元気にまた駆けだして行った。
「そんで?また俺を誘いに来たのか?」
「ええ。何時も通り、雷画の爺さんからの頼みですよ。釈迦堂さん」
士郎が今日此処に来た目的は、月末で食料が尽きてる板垣家への食材の支援と釈迦堂刑部を藤村組の下に置くための誘いだった。
「返事なら前にも言ったとおりだ。お前や雷画の爺さんには世話にもなってるし嫌いじゃねぇ
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