九節・《狗頭の君主》
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ってもしかして!?」
「もしかしてもねえわな……!」
「やばい……アレはどうみたって―――」
―――『日本刀』に、他ならない。
「βと違うっ……ディアベル駄目だっ!! まだ突っ込むなぁああああっ!!!」
最高峰からのキリトの警告に、しかし反応出来たのはキバオウ隊のみ。
大きく振り上げられた太刀は血色の輝きを迸らせ……《コボルドロード》は縦に斬る事などせず、自分の巨体を軽くだが、飛び上がるほどに浮かせる。
そしてそのまま―――
「『グラアアアアアァァァッッ!!!』」
血色の車輪を残して全方位を切り払った。
叫び声も上げられず吹き飛ばされたディアベル隊のメンバーは、それでも何とか持ちこたえている。 しかし……状況は好転しない。
今のスキルの威力故か、一時的行動不能状態に陥り隙を晒してしまっているのだ。
次の標的として《コボルドロード》が選んだのは―――――目の前に座る、短髪の男性。
「『グルルゥゥゥッ……!』」
「ひ……!?」
「あ、あかん……追撃が来る……!!」
駆けつけるには距離が遠く、今まさに走り出している物も間に合わない。
彼等をあざ笑うかの如く、鮮やかな青に染まった凶刃がプレイヤー目掛けて振りそそぐ―――!
「くう……ああぁぁっ!!」
「へっ……!?」
「ディアベル!?」
「や、やった防いだ!!」
寸前、カイトシールドを掲げて割り込んだディアベルが、己の仲間を守る盾となった。
正に『騎士』と湛えても遺憾ないその雄姿に、プレイヤー間に漂っていた靄が少し晴れていく。
その光景に安堵しながらも、己の剣をきつく握りしめたキリトは、グザの方へ大声で呼びかけた。
「グザ! 取り巻きのコボルド、一人で相手できるか!?」
「大丈夫だわな! オレちゃんを舐めて貰っちゃあ困るやね!」
「あんな動きしてる奴を舐められる訳無いだろ!」
次に話しかけるは、横で待機しているアスナだ。
「…………君は、一緒に来てくれるか?」
「言われなくても。同じパーティーなんだから」
頷き合い、猛烈なスピードで前線目掛けて駈け出した。
通り過ぎる傍らにも、パーティープレイを優先して他の部隊へ声を掛けた。
「タンク部隊続いてくれ! ピヨったC隊の援護を!」
「あんた等はどうする気だ!?」
「「引きつける!!」」
「イーーーッハアアァァァァ!!」
何という偶然か……二人の声と、グザが槍を打ち込む音が重なった。
そのやり取りを耳にしながら、後ろへ視線を向けていたディアベル。
悩むかのように目を一瞬伏せる……が、答えはす
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