Chapter T:to the beginning
第02話:進撃
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声をかけるのと同時に、影から黒円卓の五人が現れる。全員が何故か跪いている姿勢ではあったが、まあ良い。
「最初という事で様子見をしようと思っていたが、予定を変更する。」
「…それで、如何様に?」
「一気に行くぞ」
ラインハルトの決定に特に好戦的なシュライバーとベイがさも嬉しそうに笑う。ルサルカとバビロンは決定ならば仕方ないといった風だが、よく見るとエレオノーレも喜色を隠しきれていなかった。
このまま段階的にダンジョンをクリアしていって【フレイヤ・ファミリア】との関係性を示唆されるならば対処は一つ。一気にダンジョンを攻略してしまえば良い。もとより目的は只一つ。達成など遅いか速いかの違いでしかない。
「そもそも私が様子見などとおこがましい。ただ挑むのみ。行くぞ。」
『Jawohl!』
既にフードは取っている。肩にかけられたコートが翻るのと同時に全員が立ち上がり、ラインハルトの後ろについて歩き始める。
「シュライバー、縦穴を探せ。」
「Jawohl!」
ラインハルトが指示を出すのと同時にシュライバーが駆ける。その速さは『形成』位階であって尚、黒円卓の中でもかなり速い。そして、3分後にはシュライバーが戻ってきて見つけた縦穴へ向けて皆で進む。
その一団はまさに戦意の塊。暴力的なまでの威圧感に上層程度のモンスターでは彼らの前に立つことすら許されない。いや、近づくことすら躊躇わせる。偶に壁からモンスターが生まれてくる事はあったが、その度に嬉々としてベイが拳一つで撲殺していく。
「マレウス、魔石はしっかりと回収しておけ」
「はいはーい」
気の抜けた返事をしつつ、影で魔石をちゃっかりと回収していくルサルカにエレオノーレが殺気が籠った視線を向けるが、すぐにラインハルトが窘める。
「構わん。もとより我らは円卓。我が爪牙であると同時に卿らは我が友である。」
「はっ、勿体無き御言葉に感謝します!」
「あらあら」
「何がおかしいブレンナー」
「貴方も随分と乙女になったと思ってね」
「ほう...」
喧嘩腰になる二人を他所にラインハルト達は次々と縦穴へと飛び込んでいく。仕方なくエレオノーレも戦意を引っ込めるが――
「帰ったら覚えておけよ」
「ふふ、何か青春っぽくて良いわね」
「…知らん」
朗らかに笑うリザに毒気を抜かれたようにそっぽを向き、結局怒るに怒れない。
そんな和気藹々とした雰囲気を出しつつも壁から生まれるモンスターを即殺していく二人だった。
そしてそのまま壁穴を使う事4回。一同は壁一面がクリスタルのようなものに覆われたフロアに到達していた。
「ここは...」
「第17階層。来るぞ。」
事前にダンジョンの情報は集めてある。団員たちへ情報も叩き込
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