Chapter T:to the beginning
第02話:進撃
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ち着きたまえ。レベル1ならともかく、この力だ。少なくともレベル2以上とは考えないのかね?」
「むっ」
確かにレベル1なら非力な少女でも引っ張ればその場を動かすことくらいは出来る。踏ん張られたらその限りではないが、突っ立っているだけのものなら可能だ。だが、レベル2以上となると話は別だ。それならば少女の力如きで動じないのも理解できるというものだ。そして、駆け出しのレベル1ならともかく、レベル2ならギルドに既に登録されているのは道理。少女もその考えに至ったようで大人しくフードを引っ張るのをやめる。だが、相変わらず疑念が残っているらしい。
「おいおい、何やってんだよお前」
そして、意外なところから助け船が入る。
「あ、アレンさん」
「よ、ギルドの嬢ちゃん。悪いな、うちのもんが迷惑かけちまって」
「【フレイヤ・ファミリア】の方だったんですか。それは失礼しました。」
「いやいや、誰にも間違いはあるもんさ。ほら、お仕事に戻んなよ」
「はい。それでは失礼します。お気をつけて。」
そうして少女、エイナ・チュールが去って行ったあと、ラインハルトはアレンへと体を向けた。その目にはありありと警戒心が宿っている。
「どういうつもりだね」
「別に。俺はただ"あのお方"の指示に従っただけさ」
「そうか...世話になったな」
もう用は無い。一言礼を述べてダンジョンへ入って行こうとするラインハルトへ向けてアレンは口を開く。
「いつか、必ずお前をぶっ倒す。これは俺達の総意だ。」
「そうか。喜んで待つとしよう。」
2人の間にそれ以上の会話は無く、ラインハルトはダンジョンへと潜っていくのだった。
「(…外堀を埋められたな)」
ダンジョンを進みながら、ラインハルトは先程のアレンへフレイヤが出した指示を考えていた。フレイヤの事だ。無論ラインハルトを助けるつもりもあったのだろう。だが、おそらくはラインハルトが【フレイヤ・ファミリア】の所属であるとギルド職員へ認識させるという意味合いの方が強い。ギルドというのはオラリオで最も冒険者が集まる場所だ。当然、そこで出回った噂は急速にオラリオへ広まっていくだろう。つまり、今後ラインハルトが活躍するたびにラインハルトを【フレイヤ・ファミリア】だと思っているギルド職員によって、"【フレイヤ・ファミリア】所属のラインハルトが活躍した"という噂が流れる訳だ。この策の狡猾なところは、ラインハルトが否定できない事だ。何せ、否定すれば所属を偽った事でギルドに睨まれる上にファミリアに入ら無い限りダンジョンに潜れなくなる。それこそ本当に【フレイヤ・ファミリア】に入らなくてはならなくなるかもしれない。
「ザミエル、シュライバー、マレウス、バビロン、ベイ」
ラインハルトが
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