Chapter T:to the beginning
第02話:進撃
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調が珍しかったという事だろう。確かに、オラリオの街を見てみると世界の中心とすら呼ばれる街でありながら"庶民の街"という印象が強い。
「そんな事よりもです!今夜の夕食の場所はもうお決まりですか?」
「いや、まだ決まっておらぬ。そもそもダンジョンから今日帰還するかも分からぬ」
「そう...ですよね」
ラインハルトとしては"何日ダンジョンに潜るか分からない"という意味だったのだが、彼女には"生きて帰って来れるか分からない"という意味に聞こえたらしい。うん、日本語って難しい。
それにしても、どうやらこの少女はお店の売り込みをやっているらしい。お店は未だ準備中。夕方以降に開くタイプの店だろうか。勤務時間では無いだろうに商魂逞しい。
「案ずるな。いつになるかは分からぬが、帰還した暁にはそこの店を利用することにしよう」
「…はい!是非とも『豊饒の女主人』のご利用をお待ちしております!」
さっきまで暗い雰囲気出してたのに直ぐにとびきりの笑顔になるのだから中々出来る。この女、将来絶対に悪女になる。獣殿の勘が保障しよう。
如何にも嬉しそうに頑張ってくださいね、と声をかけて店に入って行く彼女を他所にラインハルトはダンジョンへ向かうのだった。
「ちょっと待ちなさい!そこの貴方!」
「…何かね?」
遂にダンジョンへ辿り着き、そのままダンジョンへ潜ろうとしたところをこれまた一人の少女に止められた。今日はよく女性に話しかけられる日である。
…一瞬、バベルの頂上から殺気が飛んで来たのは気のせいである。そう、今この瞬間も殺気を感じるのも気のせいである。女の嫉妬って怖い。
目の前の少女も殺気が飛んで来た直後に震えていたが、それでも気丈にラインハルトへ話を続ける。
「貴方、見かけない方ですね。ギルドへの登録はちゃんとされていますか?」
「…勿論だ」
「じゃあフードをとってください。私、これでも冒険者の方の顔はかなり覚えているんですよ!」
ふむ。どうしたものだろうか。というかこの少女。よくよく見れば原作で出てきたギルドの職員じゃないか。確かエイナ・チュールとか言ったか。
そして、ギルドには勿論のことながら冒険者登録はしていない。何せ冒険者登録の前提条件はファミリアに入っている事だ。何処のファミリアか申告が必要かどうかは覚えていないが、何れバレる嘘をつくくらいならば最初から登録しない方が良い。
「あ、やっぱり冒険者登録していないんですね!ほら、こっちに来て!さっさと登録しますよ!」
そして、悩んでいる間に早合点してしまった(ぶっちゃけ正解なのだが)少女によってフードごと引っ張られるが、流石獣殿クオリティ。少女如きの力では全くその場から動かない。
「ちょっ、何で動かないの!」
「まあ落
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