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アインクラッド篇
movement T 白き夜のクリスマスソング
南十字星の相棒
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をたのむ。」

取り出したのは鈍い金色に輝くインゴットだ。

「ナニコレ……、ちょっと見せて。」

リズベットはインゴットを手に取りポップアップメニューを開く。そして驚愕する。

「…………コレ、トンでもないじゃない。何処で?」

「クエスト報酬だ。《スターダストインゴット》。隕石の欠片らしい。」

「こんなの聞いたことないわよ!どっから持ってきたの!?」

「あー、いや。話すと長くなるから今度な?」

「今話しなさい!じゃなきゃ作んないわよ?」

「…………分かったよ。そのクエスト、難しい過ぎんの。ワンパーティーでしか受注出来ないし、対象が最前線のフィールドボス並み。しかも攻略の進行につれて強くなる。そんなのとやらなきゃなんないから、攻略組以外に情報行かないようにしてんの。納得?」

リズベットはしばらく呆気にとられているようだ。無理もない。

「そう言う訳だ。頼むぜ、リズベットさん。」

その言葉で我に帰ったようだ。

「………リズでいいわ。よーし、やってやろうじゃないの!」



十分後

「お待たせ!出来たわよ!」

渡されたのは刃渡り120cmほどの長剣だった。刀身はまるで夜空のような漆黒。しかし、エッジの部分だけまるで鮮血のような深紅に染まっている。そして、剣の腹には金色の十字が刻まれている。柄にも金銀で流麗な装飾が施され、黒い革が滑り止めとして巻かれている。固有名《ブラッドクロス》。その性能もまた恐るべき物だった。

「………ありがとう。いい剣だ。」

「当たり前よ。過去最高クラスにいい出来映えよ。折ったら許さないからね。」

「肝に銘じとくよ。」

こうして、その後共に浮遊城を駆け上がる相棒が、産声を上げたのだった。
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