暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
そして誰かがいなくなる
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)の女ぁいなくなってブチ切れて、《ザ・ディスティニー》とシステム的に融合した手前ぇなら、分かんだろ?聞こえんだろ?」

「なら、その対処法も」

「自然と出てくるよねぇ?父様ぁ?」



「――――うるッせェんだよ!!」



ゴン!!と。

空間さえ怯える裂帛の怒声とともに、見えない床を少年は殴りつける。

鋭い痛みが骨を突き抜け、たちまちのうちに薄赤いものが小さな拳に滲むが、そんなものを気にせず、初代は口を開いた。

()()は……ダメだろうが!!ぼくはいい!だけど狂怒!狂楽!お前らはダメだろう!!待ってるヤツが、帰る場所があるだろうがッ!!!」

「違ぇな」

「違うよ」

即答。

必死な、いっそ悲痛でさえある初代の訴えをバッサリ棄却した二匹の鬼は、どこまでもその本分に従って、憎たらしく、悪辣に、邪悪に笑った。

「俺らの《還る》場所は、いつだってアンタだ」

「――――ッ」

「僕の場合は別にぃ、あんなガキに未練なんてないしねぇ」

「――――ッッ!」

だからさ、と。

鬼達は。

欠片は。

それぞれの手を差し出す。

「「「ぽっと出の新参者(ルーキー)の鼻っ面、ちょっとへし折れよ。《災禍の鎧(ディザスター)》」」」

「……………………………………」

その手をたっぷりと時間をかけて眺めた少年は、続いて自分の背後を振り返った。

かつて自分の隣に常にいた、いてくれた少女を見る。

彼女は笑っていた。

――――否。

「ディッ、ディルルディルディルディディルディルディルッディルルルルディディディディるrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr」

ソレはもはや、笑いではなかった。

自分しか傷つけないその笑い声は、少年の心に響かない。かつて花が咲くような、花がほころぶような笑顔は、もうない。

その事実は、どうしようもなく初代の心に突き刺さった。

ギリ、と歯が砕けんばかりに噛みしめる少年に反応したかのように、少女のおとがいに伝うものがあった。

尾を引いて音もなく顔肌を滑るそれは、血の涙。

何故かはわからない。

だがフランと呼ばれた少女は、血のような真紅の滴を滂沱のように伝わらせながら、泣いていた。

泣いて。

啼いて。

哭いていた。

「――――――――」

少年はもう何も言わない。

ただ、静かに立ち上がる。

その顔を、その表情を、その覚悟を直に感じ取った三人の男は、すぐさま――――跪いた。

自らの本来いる場所、その主の帰還に全権を投げ出して膝をつく。

「……皆、つい
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