暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
そして誰かがいなくなる
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が砂にしみこむように、じわじわと脳に浸透していく。

「……な…………なん……」

絶句する少年に、緑の瞳を持つ男はあくまで静謐な雰囲気を崩さない。

達観した、あるいはどこか浮世離れした独特の空気を纏いながら、男は語る。少しだけ、そのエメラルドのような輝きを前髪の奥に伏せ隠しながら。

「……あの方の《狂喜》は強すぎる。半端に堕ちたあの少年は戻れたけれど、アレはもう戻れない。戻らせられない」

深すぎるから。

父上(あなた)と会った、会えた喜びが、深すぎた。

深すぎて、そして。

大きすぎた。

狂ってしまうほどに。

愛おしすぎて、愛しすぎて。

狂った。

そう、どこか他人事のように唄う男に、初代はただ叫んだ。

「だけど……だけど、どうやって!?もうフランは救えない!救い上げれない!狂哀の《絶壁》で外界から一切の外部干渉もできない!こんな状況で、いったいどうやって……何をすればコイツが止まるんだ!?」

「外側からなら、な」

ガリガリと後頭部を掻きながら、ガラの悪い声が遮った。

狂怒は面倒くさそうに、しかしどこか愉しそうな――――愉快そうな色を瞳の青に混ぜて言う。

「あの女に支配されてる狂哀(アニキ)なら無理だが、ただ取り込まれただけの親父(テメェ)ならできんだろ。手前ぇの力は兄貴と違って表に出てねぇ。つーことは、親父の《核》としての力は別個としてマークUの中に存在してるはずだ」

「……何の……ことを」

そう。

思わず呟く少年に構わず。

かつて少年の一部分であった鬼達――――三対の欠片達はからかうように、詠うように次々と口を開いた。

「さぁて問題だよ、父様ぁ。今、マークUの土台、根幹となっているのは、あの女の狂喜もそうだけど、それだけじゃない」

「昔アンタが手に入れ、そして初代《災禍の鎧》の礎にもなった高優先度アイテム《ザ・ディスティニー》に匹敵する武器。《檮?(とうこつ)》だ」

「だから初代にはなかった、ビーム砲や光の翼のような無粋なモノが付いているんです」

「じゃぁここで、もう一度原点回帰してみよっかぁ」

「初代《災禍の鎧》は、なぜ()()という形で己の強化を図ったのか」

「その気になりゃぁ、その辺のクソどもの頭を適当にハジいて強引に《災禍》そのものを補給できたかもしれねぇのにもかかわらず」

「その理由」

「恐らくあなたなら、もう気付いているのでしょう?」

「俺らの中の誰よりも、《鎧》の中心にいた手前ぇなら」

()()()()は分かるはずだからねぇ」

「マークUの基盤であり、依代。《檮?(とうこつ)》が放つ、声のない悲鳴」

「自分(テメェ
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