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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
そして誰かがいなくなる
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だが。

「おいコラ」

げしっ、と。

初代の後頭部を割と容赦なく蹴りつける脚があった。

もんどりうって倒れる少年が振り返ると、一瞬前まで確かに誰もいなかった空間に、《三人》の男が出現していた。

一人は少年。

毒々しい黄をあどけなさを残した瞳に宿し、この世の全てを見下しているようなヒネた表情を常に浮かべている。

一人は青年。

冴え冴えとした青い光を双眼に宿し、しかしその色とは相反的な粗野な笑みを顔に張り付けている。

そして。

最後の一人。

青年より少しだけ年を重ねた男。

理知的な緑色を光らせる、シルエットの細い男。メガネでもかけていれば実に様になりそうなものだが、あいにくスッとした曲線を持つ鼻筋には何も乗っていない。

三人の男は、それぞれの表情を浮かべて初代を囲む。

「…………狂怒……狂楽。…………狂哀」

呟かれた言葉に、狂哀と呼ばれた男はただ穏やかな笑みを浮かべた。

「お久しぶりです、父上」

「そんな。きみは確か、フランに……マークUに吸収されたんじゃ……」

呆然とする少年に、しかし当の本人である狂哀は淡々とした語調を崩さずに頷く。

「えぇ、それは間違っていませんよ。今も私はこの歪な《災禍》に呑み込まれています」

ですが、と。

一拍を置いて、男は続ける。

「その思考はいささかズレていますね。なぜなら、今私達がいるこの空間そのものが、新たな《災禍》の中なのだから。そこに、取り込まれた私がいるのは当たり前でしょう。つまり、父上。あなたの疑問の矛先は私ではない。今ここにいてはいけないモノ、いるはずのないモノは――――」

そこで、狂哀は己の隣を見た。

二匹の鬼を――――自らの兄弟ともいえる二人を、見る。

「……狂怒、狂楽……?」

「まったく、あの坊やは大したものですよ。完全に破れなかったとはいえ、私の《絶壁》を狂楽の精神感応が及ぶまでに貫いたのですから」

「それは狂哀兄様が内側から弱めようとしてたからでしょ。アイツの力じゃない」

拗ねたようにそっぽを向く少年のような狂楽の頭を苦笑しながらひと撫でし、狂哀と呼ばれる男は口を開く。

「父上。外で戦っている者達をあまり待たせるのも忍びない。そろそろ、本題に移りましょう」

「本題?」

初代たる少年は純粋に首を傾けた。

それに対し、静かに首肯した狂哀は静かに言葉を重ねる。

「もうこれしか方法がありません。他ならないあなたの手で、この歪な《災禍》の連なりを断ち切ってください」

一瞬、その言葉の意味が分からなかった。

数秒をかけ、水
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