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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
そして誰かがいなくなる
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る中、ただただ動く者はただ一人。
「あは、ははあは、あはぎゃははぎゃ、ははあはははhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh!!!!!」
ゴギゴギリ、と。
顎関節が外れ、それらが無理矢理擦れ合う鈍い音が響く。
だが、それでも白狂した笑いは止まらない。
白魚のように透き通った手を空白たる虚空へ伸ばしながら、少女は狂ったように狂笑する。
「会えた会えて会えれば会えた!!ファルにファルがファルをファルでファルはファルにファルにににににににニニニギギギギギィ――――ッッ!!!」
あはは、あははははははは、と壊れた録音テープのように笑いを撒き散らすソレを、もはや人と呼べるのだろうか、と。
動かない方の一人――――初代、ファルと呼ばれた少年は呆然と、そして唖然としてそんなことを思った。
失敗。
だが、どこからが失敗で、何が失敗だったのだろうか。
そもそも、これは最初から救われる可能性のあった物語だったのだろうか。
終わった物語をもう一度助ける方法など、なかったのではないだろうか。
とりとめもなく、益体もない。だが考えずにはいられないその思考は、泡のように弾けては消えていく。
そして、それを上塗りするように――――《上書き》するように、かつて恋人だった少女の狂笑が仮想の脳内で喰い暴れていく。
何か一つの寄生虫のように蠢きまわるソレは、不快で耳障りな音を撒き散らしながら脳髄を這いまわり、手当たり次第に現実を、正気を侵食し、喰い荒らしていった。
ポツン、と。
唐突に、身動きしない少年の心に、一石を投じるように波紋が生じる。
心の片隅。光も届かないそこで、ひそひそと邪な思考が首をもたげる。
もういいだろう。
頑張っただろう。
充分やったさ。
これだけ手を伸ばして、差し伸べて、それでもなお払われて、零れたんだ。
だから諦めろ、と。
傷痕のような、爪痕のような、足跡のようなものは残せたんだ。だったらもうこの辺りが潮時だろう。
さっさとギブアップしろよ。
そうすれば、大切な
女
(
ひと
)
を守りたくて、救いたくて全力で頑張ったけど、それでも結果が伴わなかった《かわいそう》っていう枠組みが待ってるぞ。
皆が皆、無条件でお前を受け入れて、労わって、撫でてくれる、生暖かい腫れ物の特等席。
それは、弱者の愉悦。
最強も手を出せない、最弱の特権。
それについて、少年は数秒考えてみた。
そして――――結論を出す。
少
(
・
)
年
(
・
)
の
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