月下に咲く薔薇 25.
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な者達の疑念を払拭するだけの説得力が十分にあった。スザクの表情がランスロット専属のデヴァイサーに変わり、掴んだものの端を握ってロイドが破顔する。
そのタイミングで、ミヅキと扇の携帯端末が鳴った。
ほぼ同時に耳へと当てる2人が、数秒後に揃って「まさか!?」と喚きながら立ち上がる。
「バトルキャンプからですか?」
合わせて立ち上がるキラに、顔を見合わせた2人の中から「そうなんだけど…」とようやくミヅキが絞り出す。
2人は、しきりと特派の視線を気にしていた。どうやら、通信の内容を今彼等には知られたくないようだ。
「とにかく、全員バトルキャンプに戻るぞ!」
それだけを呟いて、扇が伝票を持ち最初に立ち去る。
直後、ミヅキとキラ、アスラン、アレルヤも小走りに店外へと消えた。
「どうしますか?」上官へ問うセシルに、「急いで駆けつける事は奨励しないな」とやや残念な思いでミシェルが牽制する。「今後はともかく、今この時点で特派は部外者だ。セシル。あなたとは夜に、プライベートで逢瀬を重ねたいところなんだけど」
「冗談を言っている場合ではないでしょう!?」既に立ち上がっているスザクが、事情が見えないながらも激高する。「僕達も合流します。ZEXISが持て余している、そのややこしい事態とやらを解消する為に」
* * *
「∀ガンダム? ∀に、やらせたいのか?」
ロランには申し訳ないと思いつつ、アイムの真意を測りかねクロウは機体名を強調し二度尋ね返した。
その場にいた全員は、全く同じ連想をする。意識の混濁が原因で起きたアイムの指示ミスではないか、と。昨夜の凄まじい対怪植物戦を覚えているからこそ、セオリーを無視した機体選択に皆が首を捻ってしまう。
『急ぎなさい。…私の抵抗にも、限界があります』
おそらく、クロウの意図は正確に伝わっている。しかし、虚言家から否定が返って来る気配は全くなかった。
素直に従うのが怖い。敵の指示だからという理由ではなく、理にかなっていないところが嫌なのだ。
何故アイムは、初手を撃ち込む機体に∀ガンダムを選んだのか。
そしてもう1つ。何故、ダイターン3を援護にさえ参加させようとしないのか。
Dフォルト突破の為には大火力が必要不可欠なのだから、ダイターン3のサン・アタックにこそ脱出への望みを繋ぐべきだろう。あのアイムの事だ。ZEUTHの機体であろうと、武器や技について無知という事はあり得ない。
ならば、朦朧とする意識の中で言い間違いでもやらかしただけ、と。そう受け止める方がどれ程楽になるかしれなかった。
やはり、アイムの中には何らかの計算があると見た方が良さそうだ。
当然万丈も、クロウと同じ結論に達する。
『対Dフォルトの観点で見るなら、僕のダイターン3の方が初
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