月下に咲く薔薇 25.
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も、通報が嫌なら帰る?」
「いや」ロイドが、まさかと言わんばかりに頭を振って否定した。「話が早く進むのは大歓迎だよ! どうせ、僕達の立ち入りも加入も許可される。来る者は拒まず。そして、エルガン代表には事後承諾で問題無し。それが、君達ZEXISじゃないか〜」
「それ、褒め言葉じゃありませんよね」多くが飲み込んだ思いを、1人アレルヤが敢えて声に出す。「ガードが甘いから、この後バトルキャンプで好き放題にできる。そう聞こえますよ」
「まぁ、そんなに身構えなくても。仲良くやろうよ。前みたいにね」人を食った態度で、ロイドが残ったZEXISの全員に満面の笑みを振りまいて諸手を挙げる。「で、お茶をするの? しないの?」
館内に、音楽が鳴り響く。客と従業員に12時を伝えるハンド・ベルの時報放送だ。
「そうだな。場所を変えよう」
携帯端末の画面を覗いた後、扇が昨日クロウ達と入った店の方向を指す。
「ああ。全員俺について来てくれ。案内する」
開店前を承知の上で、ミシェルは特派とミヅキ達を先導する。
幸いにも、店長は昨日の混乱の中で避難誘導にあたったZEXISの顔を覚えていた。ブリタニア貴族まで加わった顔ぶれに思うところがあったのだろう。ミシェル達9人の為、自ら最奥の席を勧めてくれた。
ZEXISからは、ミヅキ、扇、キラ、アスラン、アレルヤ、そしてミシェルが。特派のロイド、セシル、スザクと共に。開店準備の整っている店で、大きくテーブルを囲む。
全員の前で、飲み物が白い湯気を立てている。アレルヤとキラだけがカップに口をつけ、気まずい空間にふうという小さな息の音を差し込む。
ミヅキが切り出し、話が再開した。
「ねぇ、悪気はないんだけど。このまま帰ってちょうだい、っていうのはダメかしら? 今、結構ややこしい事になってるのよ。特派の加入でこれ以上こんがらがってもねぇ」
「それは無理だよ〜!!」ロイドが眉の形を変え、速攻で押し返す。「僕も見たよ。君達ZEXISの攻撃が、あの植物には通用しなかったところ。相当ショックなんだろうけど、ダメだよ〜。苦し紛れに、アリエティス頼みの戦術とかに逃げたら。大変な事になっちゃう」
「大変な事って? ナニ?」
妙に引っ張る言い回しをするロイドへ、ミヅキが露骨な苛立ちを示す。
「連合軍が介入に乗り出すよ」
突然滑らかに話すロイドが、この上もなく物騒な可能性を示唆した。
誰もが一瞬声を詰まらせる。現状を鑑みれば、決して無い話ではない。
そもそも三大国家連合軍がZEXISを泳がせておくのは、彼等連合軍が未だにZEXIS程の戦力を持ち合わせていないからだ。インペリウム帝国や獣人、機械獣といった脅威を繰り返し排除し続けようとすれば、イナクトやフラッグ、ティエレンなど量産MSや主力KMFサザーランドがパイロット
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