序
ep.002 『GROWと青い正義』
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テヘッ。」
最後の『テヘッ』にムカッと来たのと、明らかに向こうで銃を構える物音がした。
「テェエェンメエエエェェェーーーーーーーーーーーッッ!!」
夢絶が向子を抱えて、一階に向かう階段に飛び込む。
夢絶は向子を庇うようにして抱きかかえ、階段を転がり落ちていく。
さっきの非常階段には、壁から飛び散っている欠片で埋まり、壁は両面穴だらけであった。
「もおぉ〜、痛いじゃないかカナ☆リン〜」
「こっちも多分痣だらけだっつぅのっ! あまり痣が目立たないように庇っただけでも、評価してほしいねっ!」
肩を抑えながら。
そして起き上がった二人と、下で忘れ去られていた一人が鉢合わせする。
「叶先輩、今の爆・・・・・は・・・・つ、・・・・音は? ???」
御臼の頭が?マークで埋まる。
「あっ。 いや、御臼ちゃん。そういう事じゃなくてですねぇ、これは・・その・・・・・・」
何も言えなかった。
急に笑顔になり、
「え、何がそういう事じゃないんですかぁ?」
怖い笑顔だ。
「というか、何で向子さんがここにいるんですか?」
一方、その御臼ちゃんの言う向子さんはというと、何かを恐れるようにして夢絶にしがみついた。
(あっ・・・・・)
となんとなく察し、同情までしたが、あえてここで嘘をついた方がこいつ等への恨みも少しは晴れると
いうものだ。
「いやぁ〜、上に行ったときに待ち伏せされててな。 てか、今回はこいつのせいだから、こいつ引っ張って先帰っておいて大丈夫だよ。」
御臼が、笑顔で了承する。
向子が、泣顔で救援を求めている。
夢絶は、ニタニタと送り届ける。
「さて。」
彼女らが見えなくなってから、
ポケットから携帯を再度取り出す。
プルルルッ、プルルルッ、プルルルッ。
三度、鳴った後に今度は切る。
プツッ、という音の後。
そこら辺にテキトーに落ちている手に収まるくらいの瓦礫を持つと、支柱に。
激しい音とともに煙が舞い、支柱が壊れる。
拾っては投げ、拾っては投げ、時に蹴り飛ばし、一階の支柱を全て壊した後、トドメの一撃。壊して、倒した支柱の一本をこの部屋の真ん中にある中央階段にめがけ、一蹴り。
ドゴォォォンッ!!
と重い破壊音とともにビルが崩れ始める。
(これで後はあいつに任せるか。まあ、下敷きになったとしても、無事だろう。)
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