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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン40 鉄砲水と七色の宝玉
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エルするのもなんなので、そろそろ別の場所に行ってデスデュエルの相手を探しに行こうとした矢先。水平線を見つめて何かをじっと考えていたオブライエンが、ややためらいながらも口を開いた。

「なあ、少しいいか?どうしても俺には、今日やらねばならないことがあるんだが……」
「うん?」

 何か一言一言、ゆっくりと吟味するような調子で喋り続けるオブライエン。妙な歯切れの悪さに引っかかるものを感じながらも、あえてその点には何も言わずにいておいた。

「確か、遊城十代とお前は親友だったな」
「まーね。入学した時からだから、割合長い付き合いだよ」
「俺は今日、あいつとデュエルするつもりだ」
「ふんふん。きっと十代も喜ぶよ、たいがいなデュエル馬鹿だから」

 何を心配しているのかと気楽に返すと、そうじゃないと首を横に振った。

「それじゃあ駄目なんだ。なあ、教えてくれ。あいつに本気でデュエルさせるためには、どうするのが一番有効なんだ?」
「本気で?いつだってデュエルには本気に見えるけど……そういうことが言いたいんじゃないんだよね、多分」

 へんに気迫のこもったオブライエンの態度に、少し真面目に僕がこれまで見てきた十代の姿をざっと振り返ってみた。だけど少なくとも僕の覚えている限りだと、十代のデュエルに対するスタンスはずっと変わっていない。
 ……いや、待てよ。そういえばただ一度、翔からこんな話を聞いたことがある。あれは確か、最初に廃寮に忍び込んだのがばれて迷宮兄弟と退学をかけたデュエルをした時……それからしばらく経って、僕らより先にそのタッグデュエルを終わらせた十代と翔のコンビにその時の様子を聞いてみた時のことだ。





「そういえばさー翔、あの時のタッグデュエルってそっちはどうだったの?十代と翔だとデッキも全然違うんだし、両方ゲート・ガーディアン特化のあの2人相手には結構辛い相手じゃなかった?」
「自分だってワイト使いの夢想さんと組んだくせにー。……でもあの時は、十代のアニキが見たことないぐらい本気だったから」
「あれ、三沢に聞いた時はいつも通り気負わずにデュエルしてたのが一番の強みだったって言ってたけど」

 そう問いなおすと、少し言葉をまとめた後で翔はこう言ったのだ。

「一緒にデュエルしてた僕にはわかるんだよ。確かにそう見えたかもしれないけど、あのデュエルの時アニキはこれまでにないぐらいの実力が出てたッス」





 その時は深く考えずに聞いてたけど、この会話自体はなぜだか心に残っていた。その、これまでにないぐらいの実力を出した十代が見てみたいとでも心のどこかで思ってたのかもしれない。とにかくその話が本当だとすると、十代の性格から考えて多分こういうことだろう。

「あえてなにか言うとしたな
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