ターン40 鉄砲水と七色の宝玉
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い思いや情熱といったものをエネルギーとして抽出し、数値化することができるという代物らしい。何度聞いてもさすがは海馬コーポレーションの学校、とんでもないテクノロジーだ。
『そこが気にかかるんだ、マスター』
「え?」
そこで再び、チャクチャルさんから声がかかる。本気で訝しんでいるようなその声音に、なぜか嫌な予感がしてきた。
『確証があるわけでもないし、そもそも機械は私も詳しくないから先ほどは何も言わなかったが……この技術はどちらかというと我々寄りなのがどうも気にかかる。何かするたびにエネルギーが吸われるなんて、私も昔に頼まれて作ったことがあるが、呪いのマジックアイテムといった方が近いのがな』
「え、ちょ、それって……」
待て待て待て。とりあえず取り外そうとあれこれいじってみるが、どうやら1度付けたら簡単には取り外せない仕様のようだ。留め金ごと捻り潰すぐらいのつもりでやれば外せなくもないだろうけど、これ壊したら弁償代いくらするんだろう、と思うとついつい手から力が抜ける。
それにこれがないと、今後の生活にも困ってしまう。なにしろ少なくともプロフェッサー・コブラが臨時講師をしているうちはここから出たデータを基にして成績が決定するせいで、もし下手にはずして一切僕の分だけデータが送られないとかになるとそのまま退学もあり得るとのことだ。なんとなくだけど、あのおっさんなら脅しじゃなくて本気でやりかねないのが怖い。
『……すまない、脅すつもりはなかったのだが。無論、技術の進歩という可能性もある。とにかくマスター、酷なようだが1度使ってみてくれ。効果の程を直接見てみないと、説明だけでは何とも言えない』
「う、うーん……」
呪いのアイテムなんて言われると、なんだか本当にそんな風にも見えてきた。電球の光を反射するデスベルトが、妙に冷たく光っている気がするのは目の錯覚か気の迷いだろうか。
『万一厄介な代物なら、私のエネルギーを代わりに流すなり力技で解除するなり、私が責任を取ってどうにでもしてみせる。だから案じないでくれ、マスターは私が守ろう』
「ありがと。でもチャクチャルさんの言うとおり、まずはとにかく実戦で確かめてみないとね」
もしアレな代物だった場合、その相手にも迷惑をかけることになるわけだけど。まあなんだかんだ言ってもここは学校で、デスベルトはその支給品だ。まさか1年の三幻魔、2年の光の結社と続いてこれ以上何かが起きるわけもないだろう。そんなことになったら、さすがに波乱万丈の学園生活なんてもんじゃない。
なんでもデスデュエルは、今日の放課後のどこかで正式に開始のアナウンスが入るらしい。どうせなら人柱的な意味でも1番乗りがいいし、誰かいい相手を探しに行かなくちゃ。デッキの確認を最後に行い、デュエルディスクとデス
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