ターン40 鉄砲水と七色の宝玉
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「まさかこんな形で、十代の親友とデュエルすることになるとはな。俺から言い出しておいてなんだが、せっかく精霊が見える者どうし君とはもっと別の形でデュエルしたかったよ」
そう言うヨハン相手に、僕は軽く肩をすくめて見せる。
「ま、これも頼まれごとなんでね。僕にとっては友達の1人からの。それじゃあ、デュエルと洒落込もうか」
もはや何を言っても無駄と判断したのか、デュエルディスクを構えるヨハン。そしてその腕には、不気味に輝く腕輪のようなデスベルト。僕も同じく腕にはめたデスベルトを一瞥し、デュエルディスクを起動させた。
「「デュエル!」」
……さて、なぜ僕とヨハンがデュエルすることになったのか。その訳は、今日の昼にまでさかのぼる。
十代とヨハン、ネオスペーシアンと宝玉獣の戦いから丸一日が経った。それにしても、今日のデュエルは面白かった。たった7枚しかモンスターが入っていないデッキであそこまで戦線を維持できるだなんて、手札事故を絶対に起こさない十代と同じくヨハンもかなり精霊から愛されていることがよくわかった。
というのもこれはチャクチャルさんからの受け売りだけど、いわゆるデッキの事故率というのはひとえに自分のデッキとの相性、というかどれだけデッキが頑張ってくれるかによって決まるからだ……らしい。例えば十代のデッキなんかは、ただでさえコンボ性が高い融合軸のHEROに加えて今はうまくコンタクト融合につなげないと厳しいネオスペーシアンまで入っているから、仮に僕が渡されたとしても絶対に十代みたいなぶん回しはできない。事故が激しくて融合召喚どころか、モンスターを出すのがやっとだろう。また僕のデッキも、枚数の多さから考えるとあり得ないぐらいに事故率は低い。精霊の皆が、陰ながら僕のデッキに力を貸してくれているからだ。ただ肝心の僕が、その力を使いこなせていないだけで。
「心機一転、これから頑張ろうねー」
精霊たちに、そして自分自身に言い聞かせて大きく背伸びをすると、腕に付けた腕輪のようなものが電球の光を反射して鈍く光った。これこそがプロフェッサー・コブラの導入した装置……えーっと、なんだっけ。デスクなんちゃらデュエル用のデスベルトだ。いやでも、デスクって机だよね。いくらなんでも、ちょっとこれじゃあ意味が通じないんじゃなかろうか。
「チャクチャルさん、さっきの話聞いてた?」
『まあな。ディスクロージャーデュエル、だな。マスターの横文字の割にはかなりいい線行っていたぞ』
「……前々からちょいちょい思ってたけど、結構ナチュラルに馬鹿にしてくるよねチャクチャルさん」
『それほどでも』
それ以上の追及は諦め、改めてデスベルトを見る。なんでもこの凄いマシンは、これをつけた人間がデュエルをするたびにその熱
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